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・藤ヶ谷side

亀「まったく何やっているんだか、ﾊｧ」

藤「うっ」



参った…



亀「で？いつまで、ここにいるつもり」



まさか、江戸へ来ているとは思ってもみなかった俺は返す言葉が見つからず。



亀「決めていないの？」

藤「‥‥‥」

亀「ふーっ」

塚「あのぉ、お２人の関係って？」

亀「浅からず深からずってとこかな、ﾌｯ」

塚「へっ？」



あげく会った瞬間！



亀「ちょっと２人っきりで話をさせてくれない」



空いてる部屋へ連れ込まれ、このざまってわけ。



塚「じゃ俺はこれで」

藤「塚ちゃん！」

塚「北山はトッツーの部屋で俺達と一緒にいるから」

藤「ぁ…あぁ‥」



何故だか俺は昔っから、この人には逆らえないときてる。



亀「とにかく年が明けたら帰れ、いいな」



それでも。



藤「…でっ‥出来ないって言ったら」

亀「んっ？」



絞り出すような声で言うと。



亀「今、なんて言った？」

藤「だから出来…なっ‥」

亀「ｸｽｯ」



くっそ家柄や身分で言ったら断然、俺の方が上なのに。

この貫禄、ゆとりある態度、悔しいくらい遙かに自分を上回っているんだ。

正直、こんな姿みっともなくて北山には見せられないと思うくらい。

俺は、こいつの前だと弱くなってしまう。



亀「太輔」

藤「なに？」

亀「そんなに、あの男娼が好き？」

藤「あぁ」

亀「片時も離れたくないくらいに？」

藤「出来ることなら」

亀「ふーん、ﾌｯ」



なんだよ、それがどうしたって言うんだ？言いたいことがあるならハッキリと言え。



亀「分かった、ﾆｺｯ」



はっ？こっちは、ちっとも分からないや。

するとカメは…



亀「子細は全て河合ってやつから聞いている」

藤「えっ」

亀「俺にいい案があるんだけど、おまえ乗る気はある」

藤「ぁ…‥」

亀「あるっていうなら力を貸してやってもいいけど」



突然そんな事を言い出し。



藤「それって、どんな？」

亀「大きな声じゃ言えない耳を貸しな」

藤「ん…」

亀「…で‥ｺｼｮｺｼｮ」

藤「なっ!?」



それ本気？