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桜花楼の恋

第15章 希望を胸に

亀「尾張の殿は太輔のこともあって男色が大嫌いだと聞く、フッ」

北「‥‥っ」

亀「いくら渉でも養子とはいえ自分の子に手を出したとなれば、ただでは済まされないだろう」

高田「せっ、切腹とか」



切腹!



北「ダメだ、んなの」

亀「なら、いいな?北山」

北「くっ」

亀「心配しなくても手は出したりしないから安心しな、そんな事をしたら太輔に半殺しの目に遭ってしまう」

北「はぁ、分かったってば…なりゃいいんだろなりゃ」



負けた、クッ



亀「よし決まり」

高田「では」

亀「任しとけ!ニコッ」

高田「ありがとうございます」



そこへ廊下から河合の声がし飛び出したら。



旦那「さようで」

河「これで文句はないだろ」

家来「なるべく急ぎ身請けするように分かったな」

河「ちっ、偉そうに言ってくれるぜ」



トッツーが郭を出て行くのは3日後と決まり。



橋「僕は、どうなっちゃうの?」



そっかハッシーがいたっけ。



五「良亮」

戸「いま桜花楼にいる太夫には、みんな小姓がついているし」

橋「ふっ、ふぇ」



泣きそうなこいつを心配そうに見つめる五関、俺は思わず。



北「なら俺の傍にいればいいわ」

五「北山?」



そう言ってしまい。



亀「それがいい、フッ」

五「おまえ決心したの」

北「まぁ」

戸「良かった、これで安心して行ける」

北「トッツー」

河「なぁーんだ、そうならそうと言えって」

亀「騒ぎを起こしたのは、そっちだろ?クスッ」

河「めんぼくねぇ、ハハッ」

戸「んふふっ」



が、とたん周りは明るくなって。



五「良かったな良亮、ニコッ」

橋「うん」



俺が太夫になるのが、んなに嬉しいことなんか?

なんでだわ…

その理由は、数ヶ月の後に分かる事となる。

春を迎えた頃━




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