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桜花楼の恋

第15章 希望を胸に

殿「おもてを上げい」



しかし、そこには予想外の人物がいたんだ。



殿「礼を申すのだな今回は口添えもあり我が藩の面目を潰すわけにも行かず他藩預けとする」

横「はっ」

殿「但し二度と裕太に近づく事は許さん、よいな破れば容赦はせぬぞ」

横「…かしこまりまして‥ございます…クッ」



ふっ、感謝はするけどこれじゃ裕太が独りぼっちになってしまう。

俺は…



「心配しなくても、あいつはそんな柔じゃないよ」



どういう意味?



高田「わたくしも一緒に参ります」

横「翔」

高田「あなた様が若君を生涯の主君と思っているように私も主はただ1人と心に決めております、お側に」

横「ふっ、ついて来れば」

高田「はっ」



暫くは、静観しているしかないみたいだ。

あいつらを信じ…



横「亮太」

山本「はい」

横「裕太のこと頼むな」

山本「この身に代えましても、お護り致します」

横「それから、いつか必ずまた会える早まるなと伝えてくれ」

山本「かしこまりました」



シュッ!



ニ「わったー」

横「ニカお前どうしてここに?」

ニ「心配で」

横「そっか悪かったね」

ニ「身体、大丈夫?」

横「あぁ、フッ」



俺たちには仲間がいる、そうハッキリと言える。

だから終わりじゃない、これから始まるんだ。そうだろ裕太、だいじょうぶ春は来るさ俺らの上にも。

必ず!

見上げれば久々に見る青い空、陽の光りの中に。

あいつの笑顔が、見え隠れしているような気がし。



「行こうか」



肩をポンと叩かれ俺は前へと歩き出す、この手にもう一度。

愛しい人を抱きしめる為、希望を胸に秘め揺るぎない誓いと共に。

太輔、俺もお前と同じになってしまった。

が、諦めはしない。

あの笑顔を曇らせるわけにはいかないから。

そう思いつつ━




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