テキストサイズ

桜花楼の恋

第17章 過去の幻影

母「いけません裕太、刃向かっては危険です」



母さん!



父「金などさほど持ってはいない見ての通り旅の一座だ」



父さん!

そんな俺の前へ、庇うかのように立ちはだかる父と母。



父「下がっていなさい」



護ろうとしてくれているの俺を、クッ

そして両脇には亮太と丸が、すると山賊のような格好の連中の中から頭らしき人が現れ。



「別に取って食おうだなんて思ってないさ、ニヤッ」



とたん、亮太の顔色が変わり。



山本「屋良にぃ!?」

丸山「知り合い…なん?」



やっぱり、こいつら忍びだ。



屋良「よぉー亮太、元気にしてたか」

山本「なんで、ここに」

宮「どういうこと?」

山本「同じ忍びの里の者です…クッ」

屋良「ふっ、お前はいいよな偽若君に付き出世し」

山本「裕太さまは偽ではない!キッ」



亮太…



屋良「だが元は町人、ただの旅芸人の息子だ」

玉「だから、それが何だって言うんだ!キッ」

母「裕太」

玉「俺の父さんと母さんをバカにする奴は許さない」

父「おまえ」



絶対!



屋良「いい眼をしている」

山本「俺達になんの用?」

屋良「加賀へ向かっているんだろ?ニッ」

丸山「それがなんやねん」

玉「丸!」

屋良「悪いが行き先を変えて貰うぞ」

玉「なっ、どうして」

屋良「訳は今は言えない」

玉「そんな俺は」

屋良「尾張の若君さんよ」

玉「なに?」

屋良「いい事を教えてやろうか、ニヤッ」

玉「えっ」

屋良「あんたの父親は加賀へすぐさま早馬を飛ばした」

玉「‥‥っ」

屋良「行っても城へは入れない、もちろん横尾って奴に会うことも叶わん」



父上が、そっかだから追っ手が来なかったんだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ