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桜花楼の恋

第17章 過去の幻影

・二階堂side

月が変わった頃。



飛脚「坊ちゃん文もって来やしたぜ」



千賀から無事、宮田一座と旅を続けているとの知らせが俺の元へ届いた。



北「うえっ、マジでか!?」

横「健永もやるじゃん」



が、驚いたのは会った瞬間に2人が情交してしまったこと。



北「お前、だから暫く顔を見せなかったってわけ」

ニ「んーなんか片棒をかついでしまった心境でさ」



わったーが江戸にいたことを五関の若旦那から聞いた俺は、すぐさま桜花楼へ行き2人に伝えたんだけど。

まさか…

その後で妙な連中に捕まってしまっていただなんて、知るよしもなく。

郭では、千賀の親父が。



旦那「はぁ、どうしたものか」

番頭「旦那さま?」

旦那「なっ、なんでもない気にせんでくれ」

番頭「???」



同じく宮田からの文を読み、頭を悩ませている姿があってよ。



男衆「北山太夫、そろそろ刻限ですが皆様お待ちかねです」

北「おっ、今いく」

ニ「なに?」

横「まっ、見りゃあ分かるよ」

ニ「んっ?」



いつの間にか、ミツは。



北「はっ?浮気」

客「俺は太夫の人柄に惚れ込んでいるんです決して欲情からではなく」

北「んで?」

客「なのにうちのカミさんと来たら男の色香に騙されるなんて離縁だぁって」

北「カミさんから離縁状、逆だろ普通?クスッ」



なんだ、ありゃ?



北「なら今度ここへ連れて来い」

男衆「たっ、太夫」

北「別にいいじゃん女が来ちゃいけないなんて決まり事はねんだしさ」

男衆「そりゃそうですが」

北「俺が、ちゃんと話をしてやっから ニコッ」

客「はっ、はい」



どうなってんのこれ?



横「前代未聞でしょ身体は差し出さず、お客の悩みごとを聞く太夫なんて クスッ」



はあっ?




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