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桜花楼の恋

第17章 過去の幻影

「実は俺…」



豊臣の家臣の残党、その末裔だと言うの!?



「時代は流れ名すら残せなかった者は忘れ去られてしまい」



が、居場所を無くした連中は今だ過去に縛られている。



「救ってやりたい」



せめて、生きてく希望さえあれば明日を見つけることが出来るはず。



「偶然…」



その話しを耳にした、旧知の間柄だった者から。



「事を起こそうと企てていることを」



必死で止め説得し出された条件、それが。



「器を見て判断すると」



もし、先の世を託せる者だったとしたら自分たちは協力しよう。



横「託せなかったら?」



話しはなかった事にし、始めに立てた企てを実行するだけ。



横「器を計る相手とは誰を差している?裕太か」



俺たち全員!?



「ごめん全部、話しちゃったんだ。そしたら」



“面白いじゃん、なら見させて貰おうか その行方を”

なるほど、そういうわけ。

大名相手に町人や男娼など力のない者が、どうやって立ち向かい目的を果たすのか興味が沸いたって事か。



横「ってことは、あいつらに命の危険はないんだね」



だったら問題はない。



横「もう1つだけ聞く何故尾張は動かない」



脅しをかけた?



「もし騒ぎ立てたら豊臣の名で尾張に宣戦布告をする、その時は我らの大将は松平裕太となるであろう」



なに!



「養子でありながら自由を奪い尾張家に縛りつけた事への反逆」



チッ、上手く利用しやがって。



横「分かった今は動くのをやめにする」



どっちにしろ、向こうも俺らの出方を伺っているんだろうし無益な殺生はしたくない。

いずれ面を合わせたとき、全ての答えが出揃い決着がつくのだろうから。

それにより決める事にするさ、あいつなら大丈夫。

きっと、自分で道を切り開いてくれると俺は信じているから。

次に会ったとき、その成長した姿が見れることを。




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