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桜花楼の恋

第20章 粋な計らい

・戸塚side

北「なぁ、今どこらへん」



江戸を出発し、かなり日が経った頃。



北「もぉ限界だ窮屈で耐えられない、ハァ」



大丈夫かなぁ?こんなんで。

そこには、だだっ子になっている北山がいた。



京本「尾張の国境まであと一息です」

安井「もう少しの辛抱」

岸「宏姫さま」



いや、それからが長いんでしょ ハハッ



岩橋「ハッ、誰か来ます」

戸「北山!」

北「チッ」



とたん渋い顔をし姿勢を正す北山、すると。



河「俺だわ俺、ニカッ」

戸「河合」

北「なんだよったくぅ」

河「退屈してるんじゃないかと思ってさ、いい話しを持って来てやったぜ」

北「なに?」

河「ちょっと小耳に挟んだんだが加賀の殿様が尾張へ先に向かったらしい」

戸「どうして?」

河「名目は縁談の後押し」

戸「えっ、だって既に」

河「それがよ」



と、そのとき。



横「相変わらず口が軽いなぁ郁人は」

北「横尾さん」

五「その話しはまだ北山には内緒にしとけって加賀の若君が言ってただろ」

河「あぁーははっ」



なに俺、知らないんだけど。



北「話して貰おうか」

横「仕方がない、フッ」

五「郁人のバーカ」

河「悪い」

横「実は」



花嫁候補は、北山だけじゃないって。



北「はっ?」

横「つまり殿や御台さま太輔と面を会わせ見合うと思った姫を嫁に決めると」

北「なんだわ?それ」

五「ってわけで北山がつく前に探りを入れようって魂胆じゃないかと」

北「なんの?」

五「だからー」

河「お前、そんなのも分からないの?きゃははは」

北「うっせぇ河合」



…はぁ




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