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桜花楼の恋

第20章 粋な計らい

横「他の姫さま方は、もう尾張へ向かっていて中にはついておられる方もいると聞き」

五「慌てた殿は加賀ではなく尾張へ北山は向かっている事を伝えがてら、どんな姫さま方なのかを」



知ることで、策を練ろうって考えたわけだね。



北「それの一体どこがいい話しなんだわ」



確かに、フッ



河「遠乗りが好きらしいぜ、その殿さま」

北「んっ?」



何が言いたいわけ?



亀「お前らなにコソコソと、そこで話しているんだよ」



と、そこへ現れたのが加賀の若君と二階堂。



ニ「どうせろくな話しじゃないんだろうけど」



ご名答、アハッ



亀「その様子を見る限り、さてはバラしたな」

横「あ、あぁ…ハハッ」

五「郁人がさぁ」

河「俺は宏光が気疲れし参っているみたいだから」



えっ、もしかして元気づけようと。



亀「もういい分かった」

北「何が?俺にはちーっとも分からねぇよ」

亀「そろそろ話そうかと思っていた頃だし」



なんのこと?



亀「この先、尾張の国境に入ったところに」



が、それは河合が言っていた通り確かに北山にとっては凄くいい話しだったんだ。



北「マジで?」

亀「あぁ父上についている忍びが北山にそう伝えてくれと、ニコッ」

北「くっ」

亀「あと少し頑張れるな」

北「コクン」

亀「よし、ニコッ」



それを聞き、想いを噛みしめるかの如く頷く北山。

そうだよ頑張らなくちゃ、弱音なんて吐いてたらダメだって。

やっとここまで漕ぎ着けたんだから、尾張まであと少し。

俺たちは、意気込みも新たにそこへと向かう。

季節は、もうすぐ5の月を迎えようとしていた。

穏やかな暖かさと共に━




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