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桜花楼の恋

第21章 最後の試練

・藤ヶ谷side

俺は黙ったままの北山の手を引き庭園へと向かった、その中ほどにある座り処そこまで導き。



藤「大丈夫か手」

北「んっ?」

藤「ちょっと見せてみ」

北「っあ…クッ」

藤「いっ、痛かったか悪い」

北「藤…ヶ谷?」

藤「なに」

北「‥‥‥」



ジーッと見つめる北山の瞳、やっべ可愛い接吻したくなる。

その頬に触れ顔を近づけた、次の瞬間。



北「うおっ」

藤「なっ、なんだよ驚くじゃん」

北「ここ何処」

藤「はっ?」



北山は、まるでハッと我に返ったかのように瞳を丸くしながらキョロキョロと辺りを見渡し。



藤「城の庭…だけど」

北「お前んち、でけぇな」



えっ、そこ?



藤「あ、それよりもさ」

北「すっげ!?庭の中に池もあるんだ」

藤「おっ、おい危なっ」

北「グラッ、あっ」



ギュッと慌てて、その身体を抱き留める。



藤「危うく石段を踏み外すところだった、ハァ」

北「んっ?キョトン」

藤「お前さぁ自分の格好、少し自覚して動っ…」

北「あっ、ダダッ」



今度は、なに!?



藤「いったい何処へ行くんだよ」



タッタッタ、走って行くその足がある場所へ着くとピタっと止まり。



北「…んなん‥で?」



ボソッと呟き見上げた視界、そこには蕾が開き始めた紫の花。

後ろから、ギュッと抱きしめると。



藤「これは俺達の赤い糸みたいなものだろ」



振り向きざま見つめて来た唇へチュッ!



北「んっ…藤ヶ‥はふっ‥見られ…ちま‥ビクン」

藤「ここには誰も来ない」

北「どう…し‥」



そのまま胸元に手を忍ばせれば。



藤「ふっ、俺の秘密の場所だから」

北「あっ…ん‥ダメだってば…着崩れ‥ああっ」

藤「凄く綺麗だ北山」

北「あっあっ…汚れ‥ち…ま‥あうっ」



平気だって気をつけていれば、フッ



北「はっあっ、立ったままは、やっ、ああぁ」

藤「いいじゃんたまには、なっ?ニコッ」

北「あっあっ、あぁーっ」



姫君の姿で、悶える北山にそそられてしまう。



北「くっ…もっ‥た…て‥ない…ハァハァハァ」

藤「ほら俺の首に掴まって、ニコッ」




ギュッとしがみついた足を持ち上げ。



北「むっ、無理っ、むっ」

藤「しっかりくっついていろよ」


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