テキストサイズ

桜花楼の恋

第21章 最後の試練

自分の身体へ絡ませると。



藤「行くぞ、ズブブッ」

北「ひいっ、ふけぇ」



背中を反らしている北山を思いっきり、突きまくってやったんだ。



北「うっ、ああっ」



が、まさか…



北「ふっ、藤ヶ谷、誰か、いっ、あぁ」

藤「いないよ、フッ」



風だって、なっ?ニヤッ

見られているとは思わなかったけどさ。



北「…でっ‥でも…あぁーいいっ」



確かに俺は、あいつに傍にいろとは言ったが情事まで盗み見しろとは言ってない。

そうだろ?屋良、ニッ



屋「ふっ」

京本「屋良殿」

屋良「ちゃんと見張っててやれよ」

安井「当然です」

岩橋「どなたも近づけたりはしません」

萩谷「それが我らの務め」

岸「お二人が気兼ねなく愛し合えるようにするのが」

屋良「いい声で鳴いてる幸せそうな」

京本「えぇとても」



ズゴッ、ズゴッ、スゴッ!



北「ふっ、藤ヶ谷、いっ、イッちまうぅ」

藤「構わない」

北「あっあっ、んああっ」



ビクンビクンと身体を震わせ果てる北山、その中へ俺も。



藤「くっ…ぅ」

北「…っ、ハァハァハァ」

藤「クスッ、ちゅっ」



俺達の明日はまた今日から一歩づつ始まって行く。

が、その後で。



京本「姫さま、さぁお着物を直しましょう」

北「クッ」

安井「オシモもお拭きしないと」

北「じっ、自分でやる」

岩橋「恥ずかしがらずに、これは我らの役目」

北「いっ、いいってばぁ」

藤「クククッ」

北「藤ヶ谷!」

萩谷「動いてはなりませぬ」

岸「ジッとしていて下さい今、綺麗にしますから」

屋良「驚いた行き届いてるなぁこいつら、クスクスッ」

北「見てるんじゃねぇわ」

屋良「俺に怒るなよ」

北「ちっ」



俺が北山から、すげぇ小言を言われたのは言うまでもない。



北「誰も来ないって言ったじゃん、この大嘘つき」



でも、やっちまったらこっちのものだろ?ニヤッ

膨れっ面の顔も可愛いよ、暫くは病みつきになってしまうかもしれないが、クスッ

全てが思うように進んでいた、春の陽射しに包まれ。

前にある道の先には掴みたかった2人の幸せがある、そう信じて疑うことなく。

だから、まだ1つだけ試練が残されていることに俺は。

いや俺達は、誰1人として気づいていなかったんだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ