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桜花楼の恋

第21章 最後の試練

・河合side

数日後、俺達は宮田一座が宿泊している宿に集まっていた。



宮「で、婚儀はいつ行われることに」

五「それが、ふつう嫁入りって国から国へ嫁ぐものだろ」

戸「けど北山の場合、江戸から慣れない尾張へ来てまた初めての地である加賀へ行き」

河「そこから輿入れするのは気苦労をかけてしまうんじゃないかって」



そう言ってくれたのは、尾張の殿の奥方さま。



河「姫はこのまま尾張に、どうせ嫁ぐのだからその方がいいってよ」

千「へぇ優しいじゃん」

五「だもんで加賀の連中は今朝、嫁入りの準備をするため戻ってしまってさ」

橋「だから僕たち居場所がなくなっちゃったの」

宮「ってことは」

4人「よろしくお願いしまーす、ニコッ」

塚「まっかせなさーい」



塚ちゃん…



橋「うわっ、一番言われたくない人に言われたぁ」

塚「失礼だね、これでも俺 活躍したんだよ」

橋「僕達のこと放っておいて勝手にいなくなっちゃったくせに」

塚「緊急事態だったんだから仕方ないでしょ」

橋「けど一言」

宮「まぁまぁ、ハハッ」



げんきんな奴、クスッ



旦那「よいじゃありませんか賑やかになって楽しいし、なぁ健永」

千「おう」



げっ、千賀の親父までいる!?どうなってるんだこれ?



父「ところで横尾さまは御一緒ではないのですか」

五「あいつは」

河「自分ちへ戻った」

母「では許して貰えたのですね」

五「いや、そうじゃなく」

河「加賀の若君の口添えで取り合えず父親である家老が身元を引き受けたってだけで」

塚「二の若君がどうなるかで横尾の身の振り方も決まる、そういう事?」

五「あぁ」

橋「大丈夫かなぁ」

戸「うん」



あいつは、ちょっとやそっとでヘコタレやしないさ。



宮「じゃあキタミツは今」

五「尾張の城にいる、フッ」

千「えっ、だったら俺たち会えないじゃん」

五「けど、あいつにとってはその方がいい事だし」

戸「‥‥‥」

河「確かに、んっ?どうしたトッツー」

戸「なっ、なんでもない」

河「‥‥‥」



もしかして、まだ気にしているの?




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