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・戸塚side

「失礼致します」



北山が、そんな事になっているとは知るよしもなく同じころ俺達の所にも。



「こちらに戸塚という姓の方はいらっしゃいますか」



とつぜん、宿の番頭からそう言われ。



戸「何か？」

番頭「貴方が？実は店先に紫の被り物をされている何処ぞの武家のお内儀様のような方が来られまして」

戸「えっ」



話しがしたい？俺と。



河「どうして？」

番頭「さぁ、ただ前に一度会ったことがあるとかないとか」

千「はあっ？」

橋「なにそれ」

塚「トッツー心当たりは」

戸「‥‥‥」



ある人の訪問を受けていた…



宮「どうする？」

戸「取り合えず会ってみよう、じゃなきゃ何の用で来たのかも分からないし」



いや、会わなければならない気がする。



五「確かに」

河「いったい何処のお内儀さんなんだろうな」

戸「‥‥‥」

塚「俺達の知っている奴ってことになるよね」

宮「それはどうだろ」

千「桜花楼の客のカミさん…なわけないか、ﾊﾊｯ」

橋「坊ちゃん、トッツーのお客さんにお侍さんはいなかったよ」

千「そうだっけ？」

旦那「健永、ﾊｧ」



何故だか俺は、この時ふとそう思う。

すると━



「おじゃま致します、おくつろぎのところ突然に押し掛けまして誠に申し訳ありません、ﾆｺｯ」



頭巾を取った、その姿に。



五「うっそ!?」

河「マジかよ」

橋「えぇーっ」

戸「‥‥っ」

塚「なっ、なに？どうしたの？」

千「あ、あり得ない」

宮「みっ、みんな粗相のないように！」

旦那「どなたさんじゃ？」



そこにいた、ほぼ全員が固まってしまってさ。



「驚かせてすみません」



どういうこと？ハッ、これってもしかして。