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桜花楼の恋

第22章 婚礼の日

奥「けれど私も、いえ殿やあの場にいた全ての者たちも同じでしたが、フッ」



んっ?



奥「琴の音色に心を打たれたのは、このような事情と宏姫の想いが込められていたからなのですね」



あぁ…



奥「ですが!」

一同「‥‥っ」

奥「現実は、しっかりと自覚して貰わなければなりません」

橋「そんなぁ」

戸「ハッシー、まずは最後まで話を聞こう」

奥「私は反対をするつもりはありませんが、この先」



北山が、周囲から追い込まれない為には今のうちに



奥「ずっと隠し通せるものではないのですよ特に殿には」



そうだけどさ…



奥「私は宏姫に無理難題を押しつけました、それはあの者にとって今までの中で一番辛いことなのかもしれません、なれど」



避けて通れる問題ではない。



奥「支えてあげて下さい私も出来うる限りそうしますから」



この人は━



一同「はい」

奥「よろしくお願いしますね」



凄い人だ。



奥「では婚礼の儀のときには是非とも皆さま方も」

千「行ってもいいの?」

奥「その代わり武家の姿でお願いします一座の者または町人だと知れると今はまだ」

戸「分かっています」

橋「やったぁ」

五「良亮、フッ」

千「宏光の花嫁姿が見れる」

宮「千ちゃん」

奥「んふふっ」



俺達は、一番 力強い味方をつけたのかもしれない。

だが、あいつは近いうち慟哭の波に飲み込まれる事になるだろう半端ないほどの辛さの中で。

負けるな宏光、乗り越えたらそこには確かな光があるのだから

先の世へと繋ぐ━




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