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桜花楼の恋

第22章 婚礼の日

・北山side

それは婚礼の儀まで、あと3日と迫ったある日のこと。



奥「だいぶ上達しましたね花も茶・舞も心があればこそ」

北「‥‥‥」

奥「んふっ、会いに行って来ますか」

北「誰に?」

奥「ニコッ、そこに控えている5人」

5人「はい」

奥「姫の身支度を」

5人「かしこまりました」



えっちょ、わっ!?どういう事これって腰元の格好じゃん。



京本「行ってらっしゃいませ後のことはお任せ下さい」



げっ、大我のやつ俺よりもめっちゃ可愛いわ。



門番「お出かけですか御台さま?」

奥「夕刻までには戻ります、よしなに」

門番「はっ」



いっ、いいのかよ?一国の奥方がお忍びなんかして。



奥「どうです?久しぶりの城下は、クスッ」



いったいどこへ行く気なんだわ?



奥「ここです、ニコッ」



そこは、一軒の料亭みたいなところ。



主「既にお連れ様がお見えになっております」



誰?と、襖が開きその先にいたのは。



奥「積もる話もあるでしょうし私は席を外しておりますゆえゆるりと、ニコッ」



よっ、横尾さん!



横「ミツ、元気にしてた」

北「あ、あぁ」

横「どうした?ん、ニコッ」

北「くっ」



その笑顔に甘えたくなる。



横「いいよ飛び込んで来ても、クスッ」

北「タマに…悪いっから」

横「構わない、あいつなら許してくれるさ フッ」

北「‥‥っ」



ギュッと、その懐へ。



北「横尾…さ‥よっ」

横「大丈夫?気疲れしてるんじゃない」

北「…もっ‥いっ…お前に会えたし クッ」

横「そっ、ニコッ」



優しく自分の髪をその手が撫でていく、あったけ凄く。



横「ところで前から気にはなっていたんだけど」

北「んなに?」



このままずっとこうしていたい、そう思ったとき。



横「この髪どこがミツので、どこら辺が偽ものなの」

北「はっ?」

横「ニコッ」

北「ぁ…前髪と両脇が自分の毛、で頭の天辺が偽もんって違うだろ」



なに律儀に答えてるんだよ、俺も。



横「ぷっ、あはははっ」

北「あっ、クスクスッ」

横「ってことは姫君のときの髪型は、ニッ」

北「もぉいいじゃん別に」

横「クククッ」



あんがと、少しは気が楽になったわ。




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