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桜花楼の恋

第22章 婚礼の日

北「よろしゅうお願い致します」

藤「こちらこそ、ニコッ」



綺麗だ、凄く真っ赤な着物も似合っていたが花嫁姿はまた格別に。



安井「若君お手を」

藤「うん」



差し出した手に重なる北山の白い肌、思わず2人 顔を見合わせ。



藤「ふっ」

北「ニコッ」



微笑み合い、俺達は一歩づつ足を前へ踏み出し大広間へと向かってく。

そして━



殿「松平太輔」

藤「はっ」

殿「そちは宏姫を娶り生涯仲ようすることを誓うか」

藤「誓いまする」

殿「前田宏」

北「はい」

殿「太輔の伴侶となり生涯尽くすことを誓うか?」

北「誓います」

殿「杯を持てぇーっ」

家老「御意にござる」



婚礼の儀は順調に進み。



藤「ふっ (北山これで俺達は晴れて夫婦だ、もう誰にも文句は言わせない)」

北「ニコッ (藤ヶ谷 なにがあってもお前について行く、どんな辛い事でもその想いさえ感じることが出来れば俺は耐えて行けるからよ)」



あぁ、これからも俺達2人はずっと一緒だ。

“ガヤガヤガヤ”



「おーい酒を持ってこい酒だぁ」

「こっちも頼む」

「ここもだ」



はねを伸ばしてるぜ、どいつもこいつも。



北「ツンツン」

藤「んっ?」

北「お前んとこの家臣ってノンベばっかじゃん」

藤「溜まってるんだろう城仕えは気苦労が絶えないし」

北「んだか大変なんだな」



が、そこには一際目立ち騒いでいる奴らがいたんだ。

もちろん…




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