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桜花楼の恋

第22章 婚礼の日

・玉森side

ミツとガヤの婚礼の日、俺は父上と母上に呼ばれる。



父「裕太」

玉「はい」

父「お前に言っておきたいことがある」

玉「なんでしょう」

父「松平の姓ではなくなっても、お前は私の可愛い子だ」

玉「ちっ、父上」

父「それを忘れるでない横尾家へ行ってもな」

玉「‥‥っ」

父「話しはそれだけだ」



そう言うと、去ろうとし。



玉「まっ、待って下さい、俺は」

父「何も言うでない」



それは、初めて見た尾張の父の寂しそうな背中だった。



母「裕太、殿は貴方を嫁に行かせてしまう心境なのです分かってあげなさい」

玉「母上、クッ」

父「まさか息子を嫁がせる日が来るとは思いもしなんだ」

玉「あ、有り難うございます裕太はお二人の子として育ち幸せ者でした」

母「それだけ聞けば十分です時々は顔を見せに来て下さいね」

玉「はい毎日でも」

父「バカそれでは忠長が可哀相ではないか」

玉「ぁ…‥」

父「まぁーよい、ニコッ」

玉「んふふっ」

父「その笑顔よにも癒しであった太輔と同じく」



父上…



父「さぁ行け行って2人を祝福してやるがよい渉と一緒にな」

玉「はい」



感謝します父上、母上。
ダダダッ!



家老「若君、廊下は」

玉「ごめんなさい急いでいるの、あっ」

家老「なっ、なんでございましょ」

玉「これから宜しくお願いします、えっとお父さま」

家老「‥‥っ」

玉「ニコッ」



ダッ!



家老「ふっ、あの笑顔には誰も勝てぬ殿でさえ」



わた、わたあぁーダダッ!



千「あれタマ」

ニ「どうしたんだ」



ダッとその胸元へ飛びつく。



玉「わた」

横「なっ!?」

河「うえっ」

塚「すっ飛んで来た」

橋「若さま?」

五「ここ廊下のど真ん中だぜ」

戸「あらら」

宮「タマ?」

玉「許っ…して‥くれたんだ」

横「んっ?」

玉「父上が、許っ…うっ‥わあぁ…ヒクッ」

千「マジで」

ニ「あの頑固もんの殿さまが」

宮「ホントそれ」

玉「うん兄さま、ヒック」

戸「良かったね、ニコッ」

塚「こりゃーめでたい続きだ」

五「あぁ」

河「すっげぇじゃん」

橋「宏光やもう1人の若さまにも教えなきゃ」



そこへ―



山本「裕太さま」

玉「亮太」



ダダッ!

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