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桜花楼の恋

第23章 1つの出会い

雪「お願いします、あなた様のお役に立ちたいのです、どうか」



と、そのとき隣にいた翔が。



高田「なんて奥ゆかしい」

ニ「はっ?」

高田「あの瞳、唇…ハァ」



こいつ、もしかすると。



北「参ったわ、どうする」

京本「よいではないですか」

安井「暫しお側に置き仕えさせれば」

北「んでも俺の一存では」

京本「奥方さまに御相談なさっては如何です?」

安井「御台さまは奥を取り仕切っておられる御方」

京本「あの方がよいと言って下されば大丈夫です」

北「ぁ…まぁ‥」

雪「でっ、では」

北「仕方がない着いてくれば、フッ」

雪「有り難うございます」



あっ、行っちまう。



ニ「翔、翔ってば」

高田「…ボーッ‥はぁ…」



ダメだ、こりゃ…すっかりやられてしまっている。

それから俺達は宮田一座のところへ行き、そのことを話してみたんだけど。



千「えっ、宏光が?」

ニ「あぁ、それで」

高田「…はぁ」

宮「翔がこうなっちゃったってわけ」

ニ「腑抜けたまま戻らなくてよ」

旦那「これは恋のやまいですな、クスッ」

千「親父」

ニ「あちゃあ、やっぱり」

宮「気になるね、その娘」

ニ「なにが?」

宮「キタミツはどうする気なんだろう」

ニ「‥‥‥」



それを聞き、何故だか不安そうな表情をする宮田。



宮「探りたいけど翔がこれじゃあ」



俺は知らなかった、いや俺だけじゃなくガヤや亀梨くんも。



ニ「別にそこまで心配する必要はないんじゃない?」



尾張の奥方が、トッツーに会いに来ていたこと。

だから、このとき宮田が何をそんなに気にしていたのか全く分からず。



宮「だと、いいけどさ」



でも、知っていたとしても今回だけは俺達がどうにか出来る問題じゃなかたって事も後になって分かったんだ。

この数日後に━




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