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桜花楼の恋

第23章 1つの出会い

俺とは立場が違うし、今までみたいに拒むことは難しいと思う。

何よりも、ミツの気持ちが



奥「渉殿、私は鬼になりまする」

横「御台さま」

奥「ただ、そなたにだけは聞いておいて貰いたかった太輔と身分を越え仲ようしているそなたには、クッ」



ある日、城に呼ばれ御台様にそう言われた。



奥「町娘だからよいのです身分のある武家の娘では宏姫が肩身の狭い思いをすることになるでしょう」



このお方は━



奥「男であれ女であれ辛さは同じ」



たぶん一番、ミツの気持ちや立場の辛さを分かっているんだろうな。



奥「好いた殿御の子ができぬと知ったとき私はつろうてつろうて」



けど、そんな御台様を癒したのが。



奥「あの子は泣いている私の傍に寄って来て、こう言ったのです」



“母さま、どこか痛いのですか?ならば太輔がやっつけて差し上げまする母さまを苦しめる者はこの太輔が許しません”



奥「頭を撫でがら」



“太輔、ギュッ”

“母さま?”

“そなたは良い子じゃ母も誓いましょう、いつでもお前の味方でいる事を”



奥「ですから…でっ‥クッ」

横「その想い、この横尾渉が確かに受け取りましてございます」

奥「渉殿」

横「大丈夫です御台さま2人にも伝わることでしょうから」

奥「そなたにそう言われると自信が持てます、フッ」



頑張れ、みんな頑張るんだ道を開くのは己自身と俺達はここまでやって来た。

が、これからは自分の力で歩んで行かなければならないのだから。

地に、しっかりと足を付け。




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