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雪「なにか言えない負い目があるように見受けられ、それ以上はお聞きしませんでしたけど」



そんなに苦しんでいたのか…



雪「でも察するに１つは子が出来ぬこと」



悪かった、ひろ。



雪「ならばせめてそれだけでも楽にして差し上げたい、そう申しましたら」



“ありがと”



雪「これで殿様と奥方様に若君の子を抱かせてあげることが出来る」



北山は、微笑んでいたという。



雪「養子では意味がないのです貴方さまの子でなければ」



人は、誰かの悲しみの上では本当の幸せを得る事が出来ない気がするから。

この先、ずっと負い目を背負って生きてくより堂々と一緒に歩いて行ける。

そんな道を、もう一度切り開き共に乗り越えて行こう。

俺は、このとき雪の口を通して北山がそう言っているような気がしたんだ。

それと同時に自分の甘さを嫌ってほど痛感してしまってさ。



雪「お背中、流させて頂きます」



こうなる事は予想がついたはずなのに俺は、ｸｯ



藤「怖くはないか？」

雪「少し、けれど多数の男に抱かれることに比べたら姫様が、あそこまでも慕っている御方ですもの安心して任せられます、ﾆｺｯ」

藤「ふっ」



強い娘だ。



藤「悪いようにはしない」

雪「お気遣いなく」

藤「いや粗末にでもしたら、あいつに怒られてしまうし」

雪「ｸｽｯ」



そうだろ？。

この日を境にひと月以上もの間、俺は雪を毎晩のように抱き続ける事となる。

あいつの慟哭を肌身に感じつつ━