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桜花楼の恋

第3章 つかの間の休息

・北山side

目を覚ますと俺は藤ヶ谷の腕の中へ包まれていて、それも互いに素っ裸のまま。

そっか昨日あれから、あのとき物凄い快感が身体中を突き抜け。

耐えられなくなった俺は、意識を飛ばしてしまい。

しかし、やっぱりこいつは意味不明な奴だわ。

なにを考えているんだか?俺をどうしたいんだかサッパリ分からないし。

これからどうなってしまうんだろう?ふと不安が頭の中を過ぎる。

ただ…



藤「北山は今から俺のもの他の客に抱かせる時は必ず許しを得てからにすること分かったな」



少なくとも当分は、藤ヶ谷以外の客に抱かれることはないらしい。

これって不幸中の幸いってやつ?

が、男娼である事に変わりはないし俺はこれからも こいつに抱かれ続けるんだ。

そう思ったら、目の前の胸板に一瞬心臓がドキッと高鳴る。

ハッ、ちげぇ。

俺は男だ、女みたいに抱かれて喜んだりするわけないじゃん。

ましてや惚れるなんてこと、考えられない。

でも、すっげぇ気持っ…

んなことはないわ良くなんか、あんなのちぃーっとも。

ならなんで心が乱れているんだよ?溺れたりなんかしないって決めていたはずなのに。

自分が自分でなくなってく怖い、半端ないほど怖くて堪らない。

と、そのとき。



藤「寒いか?身体が震えてる、もっとこっちへ来い」



ギュッと強く抱きしめられ。



北「しっ、しねぇよもう」

藤「なにいきなり拒否ってるんだ?お前、クスッ」

北「くっ」



藤ヶ谷が、目を覚まして。



藤「昨日は悪かったな」

北「えっ」

藤「さすがに俺も反省した乱暴にし過ぎたって」



優しく声を掛けられ、どう返していいか戸惑ってしまう。




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