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桜花楼の恋

第26章 幸せな日々

・北山side

乳母「お待ち下さい想松君、そんなに走ると転びます」

想「きゃっきゃっきゃ」



ダダッ!



奥「ほんに元気なお子だこと誰に似たのやら」

藤「えっ、俺?」

奥「他にいないと思いますが」

北「ぷっ、クククッ」



あっ、危ね!ダッ



想「うわあっ」

北「想、ギュッ」

想「母上」

北「ダメじゃん気をつけなきゃ落ちてしまうところだったぞ」

想「ごめんなさーい」

北「ふっ、ニコッ」



太輔もきっと、こんなんだから崖から落ちてしまったんだろうな。



殿「明後日は上様にお目見えする日くれぐれもやんちゃは控えておくれ」

想「はい、ニコッ」



大丈夫かなぁ?チラッと横目で見ると苦笑いしている太輔、さてはお前も昔。



藤「明日なんだけどさ」

北「んっ?」

藤「想を連れて行ってやりたい所があるんだ」



それって…



北「太輔」

藤「なに?」

北「前に約束した事があったよな」

藤「ふっ、あぁ」



これも時の流れ…

翌日、俺達は複数の供を連れお忍びで江戸の町へと出た。



河「待ってたぜ」

龍・瑞希「兄さん」

北「龍也、瑞希、元気にしてた?」

瑞希「うん」

龍「この子は誰?」

北「俺の子で想っていうんだ宜しくな、ニコッ」

瑞希「想、僕は瑞希」

龍「龍也だよ」

北「弟たちだ」

想「想です宜しくお願いします」

戸「出来た子だね、さすが尾張の若子」

河「だな、フッ」



当たり前だ、誰が育ててると思ってるんだよ。



五「北山、藤ヶ谷」

藤「なに五関?」

五「ちょっと見せたいものがある店まで来てくれないか」

北「んっ?」

瑞希「遊ぼ、想」

龍「想、ニコッ」

想「うん」

戸「若子は俺が見てるから大丈夫だよ、ニコッ」

藤「じゃ頼む」



五関の店の酒蔵、そこに。



小山「よし、いいデキだ腕を上げたな翔」



翔だって!?



高田「もうすぐ二人目が生まれるので頑張らねばと」



嫁を貰ったのか?



藤「五関、まさか」

五「とつぜん現れた時には正直、驚いた」



すると━



「お前さん茶の用意が出来ました 少し休んだらどうです」



あれは、ダダッ!



藤「おい、ひろ」

北「雪いぃーっ、ダダッ」



ギュッと、その身体を強く抱きしめる。

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