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桜花楼の恋

第4章 馴染んでく身体

・戸塚side

北山に会いたい、会ってその傷ついた身体を抱きしめてやりたい。

あれからもう半月も経つ、そろそろ限界のはず違う北山?

俺も、そうだったから。

あいつは、毎日やって来ては好き勝手放題に貪りまくり。

けれど、自分の意志や心とは裏腹にどんどん身体は感じやすくなっていき。

それは絶望にも似た屈辱、認めてしまったら後は堕ちて行くしかないという。

みんなは…



五「藤ヶ谷っていい奴だぜ」

塚「心配しなくても大丈夫だってトッツー、ニコッ」

橋「ハッシーねぇ、この間洗濯手伝って貰ったんだ」

千「ガヤさんは宏光のこと本気で惚れているんだ」



一体いつの間に!?驚くほど奴の味方をし、どうしてそんな簡単に信じることが出来るの?



河「一度話してみたらいいじゃん、そうすれば分かると思うからよ」



あげく河合まで、クッ



戸「やっぱ俺たち男娼の気持ちなんて分からないんだね」

河「トッツー」

戸「その身になってみなくちゃさ、キッ」

河「‥‥っ」

戸「もういい」

河「なにが?」

戸「来なくていいから帰って!」

河「ちょ、なに言ってるんだトッツー!?」

戸「俺は一生ここにいるしかない所詮は河合とは住む世界が違うんだ」

河「身請けするって言ったじゃん」

戸「店をつぶす気?」

河「そんなつもりは」

戸「借金は消えない、いや今でも増え続けている」

河「えっ」

戸「親父が生きている限り俺が何人の男に抱かれようと無くなりはしないんだ」

河「‥‥っ」



ほら、思った通り知らなかったんじゃん。




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