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桜花楼の恋

第5章 広がる不安

・二階堂side

翌日━



父「高嗣、また出掛けるのか?」



あの家紋はヤバい、千賀はなんにも気づいていなかったみたいだけど。



父「たまには家業を手伝えお前は跡継ぎなんだぞ」



うっせーやったく、お袋が死んでから遊郭通いしているくせして偉そうに。



父「おい、聞こえてるんだろ返事くらいしなさい」



はいはい、耳はついてますよぉーだ。



父「待つんだ高嗣」



俺は、ガヤが乗った篭に付いていた家紋の屋敷へ行ってみる事にする。

ここだ、でもどうしてそんな凄いとこの若様が男娼遊郭なんかにしけ込んでいたんだろう。

その理由が知りたい、相手には不自由しないと思うんだけどな?

と、そのとき。



「この屋敷の誰かに用でもあるわけ?」



えっ?

振り向くと、そこには1人の侍がいて。



ニ「ぁ…ちょっと知り合いに似た人が昨日、中へ入ったのを見てさ」



半分は嘘、もう半分は本当。



「おまえ何処の子?得体の知れない者を中へ入れるわけにはいかない名を名乗りなさい」



じゃ教えたら入れてくれるのかよ。



ニ「俺は二階堂高嗣、米屋の息子だ」



なわけないし、だから侍っていうのは嫌いなんだ嘘ばっかついてよ。

が、そいつはニコッと笑い。



横「俺の名は横尾渉、言うことを聞き傍から離れないっていうのなら一緒について来てもいいよ、フッ」

ニ「本当!?」

横「ただし勘違いだったらここでの事は忘れる、いいね?勝手に入れたとなると俺の立場が悪くなるし」

ニ「分かった約束する」



驚いた!?こんな奴もいるんだ、なんか親近感が沸く。

それから━



門番「横尾さま今日は町人の連れが御一緒ですか?」

横「あぁ米屋の息子で父親に頼まれた将来の為にも武家屋敷を見させてやって欲しいってね」

門番「なるほど、まぁ横尾さまのお知り合いなら安心です、さぁどうぞ」



へぇー様づけで呼ばれるてことは、こいつ偉い侍なんだな。



ニ「ジーッ」

横「なに?どうかした」

ニ「ぁ…いや‥」

横「ふっ」



が、暫くすると庭園みたいな所に出て。




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