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桜花楼の恋

第6章 兄弟の絆

・二階堂side

ミツが、俺を受け入れてくれた。



北「おい、おまえ俺のペッタンコの胸の中へ顔を埋めんなに嬉しいか?」

ニ「おう、ニコッ」

北「ふっ」

ニ「でも、そうでもないぜこれって筋肉だろ?すっげどうやったらつくの?」

北「んっ?あぁ、小さい時から畑仕事してたかんな」

ニ「俺は何もしてないや」



ガヤの言った通りだった。



北「家の手伝いはしていなかったん?」

ニ「うっ、米屋なんて面倒でよ」

北「バカ、その米を作るのに百姓がどれだけ汗水たらしていると思っているんだ」

ニ「かっ、考えた事もなかった」

北「どんなもんでも誰かが精魂込めて作ってることを忘れちゃならねぇ分かったなニカ」



えっ、今なんて言った?



北「これからはお前のこと、そう呼ぶことにしたわ」

ニ「なら俺は」

北「んっ?」

ニ「みっちゃんって呼ぶ」

北「はあっ?」

ニ「みっちゃん、みっちゃーん」



が、そう言ってスリスリと頬を寄せたら苦笑いするミツ。

クスッ、可愛い。



北「なんか複雑な心境だが、まっいっか、フッ」

ニ「じゃあさ、いろいろと話し聞いてくれる?」

北「ダチ、つうよりも弟としてなら構わないよ」

ニ「えっ、みっちゃん俺の兄貴になってくれるのやったぁ」

北「クスッ」



俺は一人っ子で、だから逆に誰にも甘えられなかった。

親父は…



父「お前は店を継がなければならない身、甘えは全て捨て家業に励め」



いつの頃からだろう?



ニ「米屋なんて嫌いだ誰がこんな店、継ぐものか」



そうやって刃向かうようになったのは、俺のこと分かってくれる奴なんてどうせ誰もいない

千賀だけ…そう、あいつだけが友達だった。

それが今じゃ。



横「いいか太輔は当分あの郭へは行けない、いや下手すりゃずっとだ」



わったーも、ガヤもいる。



横「だが手はすでに打ってある、お前も協力しろ」



分かっている、俺はミツを必ず護ってみせるさ絶対に。




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