桜花楼の恋
第7章 募る想い
・玉森side
旦那「これはこれは驚きました若様の弟君が当郭へいらっしゃるとは」
俺は正々堂々と正面から、その遊郭に足を踏み入れた。
玉「兄上が惚れ込んでいる男娼がどんな奴なのか見に来たんだけど会わせて貰える?」
その方がいいと、わたにも言われ。
旦那「もちろんでございますとも番頭、番頭はおるか」
でも、すっごいなぁーここ。
番頭「へい、なんでございましょう」
旦那「こちら若様の弟君にあらせられる」
番頭「これはこれは、ようこそおいでなされました」
旦那「宏光の部屋へ案内して差し上げておくれ、くれぐれも失礼のないよう」
番頭「かしこまりました、ささこちらへどうぞ」
柱から何からとにかく真っ赤っかで、異様な雰囲気を醸し出し色とりどりの壁。
あげくあちらこちらの部屋からは、なめかましい声が聞こえなんだかゾッとする。
こんな所にいる人って、一体どんな気持ちで住んでいるのだろう?
そう思ったとき…
向かう先の1ヶ所の柱からチラホラと、俺のことを伺っている男の子の姿が見えてさ。
あっ、あの子、あの時の子じゃん!まさか。
あんな小さな子まで身体を売っているんじゃないよな?
すると番頭が…
番頭「良亮、そんなところで何をしている」
橋「ハッ」
番頭「部屋へ戻りなさい」
ダダダダダッ、あっ、行っちゃった。
番頭「申し訳ありません」
玉「良亮っていうの?」
番頭「はい、店だしするにはまだ早いものですから戸塚太夫の小姓をさせております」
玉「じゃ大きくなれば」
番頭「皆、なんらかの事情により売られて来た者達ばかり、あの良亮は口減らしでここへ来ました」
玉「なっ!?」
番頭「先へ進みましょう」
“口減らし”
貧しい生活の中、多くの人たちが貧困にあえぎ泣く泣く子供を手放していると聞いたことがある。
ズキン!
俺は、何も知らなかったことに心が痛んだ。
番頭「この部屋でございます」
男が身体を売るなんて何て汚らわしい、そう思っていた自分が逆に恥ずかしくなる。
旦那「これはこれは驚きました若様の弟君が当郭へいらっしゃるとは」
俺は正々堂々と正面から、その遊郭に足を踏み入れた。
玉「兄上が惚れ込んでいる男娼がどんな奴なのか見に来たんだけど会わせて貰える?」
その方がいいと、わたにも言われ。
旦那「もちろんでございますとも番頭、番頭はおるか」
でも、すっごいなぁーここ。
番頭「へい、なんでございましょう」
旦那「こちら若様の弟君にあらせられる」
番頭「これはこれは、ようこそおいでなされました」
旦那「宏光の部屋へ案内して差し上げておくれ、くれぐれも失礼のないよう」
番頭「かしこまりました、ささこちらへどうぞ」
柱から何からとにかく真っ赤っかで、異様な雰囲気を醸し出し色とりどりの壁。
あげくあちらこちらの部屋からは、なめかましい声が聞こえなんだかゾッとする。
こんな所にいる人って、一体どんな気持ちで住んでいるのだろう?
そう思ったとき…
向かう先の1ヶ所の柱からチラホラと、俺のことを伺っている男の子の姿が見えてさ。
あっ、あの子、あの時の子じゃん!まさか。
あんな小さな子まで身体を売っているんじゃないよな?
すると番頭が…
番頭「良亮、そんなところで何をしている」
橋「ハッ」
番頭「部屋へ戻りなさい」
ダダダダダッ、あっ、行っちゃった。
番頭「申し訳ありません」
玉「良亮っていうの?」
番頭「はい、店だしするにはまだ早いものですから戸塚太夫の小姓をさせております」
玉「じゃ大きくなれば」
番頭「皆、なんらかの事情により売られて来た者達ばかり、あの良亮は口減らしでここへ来ました」
玉「なっ!?」
番頭「先へ進みましょう」
“口減らし”
貧しい生活の中、多くの人たちが貧困にあえぎ泣く泣く子供を手放していると聞いたことがある。
ズキン!
俺は、何も知らなかったことに心が痛んだ。
番頭「この部屋でございます」
男が身体を売るなんて何て汚らわしい、そう思っていた自分が逆に恥ずかしくなる。