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桜花楼の恋

第7章 募る想い

北「あっ悪い、お前に言ってもしょうがなかったな」

玉「うぅん、いいよ別に」

北「あいつ、元気にしてるか?」

玉「会いたい?」

北「んなこと…ね‥クッ」

玉「ガヤは凄く会いたがっている」

北「‥‥っ」

玉「でも父上や母上が許してくれないんだ屋敷からも出して貰えず」

北「…なら‥仕方ないな」

玉「どうして男娼に?」

北「なんでお前が知りたいんで?」

玉「ガヤの気持ち知るには貴方のことを知るのが一番だと思ったから、それに」

北「んっ?」



自分の為にも、それが必要なんだと。

そしたら―



北「俺は自分が可哀相な奴とか思われたくないんだ、あくまで意志あってここへ来た。それを頭に入れた上でなら話してもいいぜ」

玉「分かった約束する決して同情などせず対等で聞くって、ニコッ」

北「ふっ、さすがは藤ヶ谷の弟だわ」

玉「当たり前だろ、クスッ」



そのとき、なんだか不思議な感じがした。

初めて会ったのに既に心が通じ合っているような、それが俺のミツへの最初の印象だったんだ。

こんな環境の中にあっても男らしさを失おうとしない、いや逆にギラギラとした瞳で前を見つめ。

なんとか道を切り開こうとしている姿に、俺は。

いつしか憧れにも似た想いを持つようになる。

北山宏光という、1人の男娼に対して。




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