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桜花楼の恋

第7章 募る想い

・五関side

北山が、この郭に来てから俺達は何故だかトッツーの部屋へ集まるのが習慣となってしまっていた。

この日も━



五「そうか元気ないんだ」

戸「日が近づくにつれ益々気落ちしているって感じ」

河「俺達も声をかけづらくてさ」

塚「やっぱ嫌だなんだろうね藤ヶ谷以外の客に抱かれるのが」

五「初めっからそうだったら、まだ居直りようがあるけど」

戸「今まで独り占めされていただけになおのこと」

河「怖くて堪らないんだと思うぜ」

塚「かと言って俺達でどうこうしてやれる事じゃないし、ハァ」



黙って見ている事しかできない…と、そのとき。



橋「来た、ねぇみんな来たよおぉーっ」



ドタドタドタ!



五「良亮!?」

戸「来たって誰が?」

河「もしかして藤ヶ谷か」

橋「違う、可愛い若様」

五「可愛い?」

塚「あっ、宮田の弟の」

橋「あったりぃーっ」

河「どうして?」

戸「しっ、静かに!こっちへ来る」



シーン…



番頭「この部屋でございます」



すると番頭が、らしき奴を連れて来たのが分かり思わず俺達は聞き耳を立てる。



番頭「宏光、お客様だ」

北「客?」

番頭「若様の弟君がお前に会いたいと、わざわざ足を運んで下さった」

北「藤ヶ谷の」



良亮の言った通りだ。

しかし中で何を話しているのか全く聞こえず、痺れを切らしたトッツーが丸障子から向こうの部屋を覗こうとすると。



河「そこじゃダメだ」

戸「なんで?」

河「藤ヶ谷にはすぐ気づかれてしまったからよ」

塚「侍は勘が鋭いからね」

戸「でも気になるじゃん」



いったい何の目的で北山に会いに来たのか?

トッツーだけじゃなく、そこにいた誰もがみな同じ気持ちだった。

そして━




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