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桜花楼の恋

第7章 募る想い

・千賀side

その夜、宏光の部屋の前まで来た俺はなんだか不思議な光景を目の当たりにする。

最初に廊下へ出て来たのは河合の若旦那、続けてハッシーと塚ちゃんにトッツー。

最後に五関の若旦那と、順に指でプツンとその部屋の障子に穴を開けみんなで中を覗いているんだ。

一体なにをやっているんだろう?俺も仲間に入れてよ。

そう思い、近づこうとした次の瞬間に。



五「あっ」



五関の若旦那が何かに気づき。



五「あぁーあははっ」



気まずそうに苦笑いしながら部屋の中へ入っ行ってさ、続けざま。



戸「ヤバっ、かっ、河合」

河「んっ?うおっ、アハハッ」

塚「いっ、いやぁどうも」

橋「わわわわっ」



なに、今の?

わけが分からないまま俺は無意識に、プツッ!



番頭「坊ちゃんまで何をしているんですかぁ」

千「およっ」

番頭「はぁ、とにかく明日の朝早く起きて急ぎ直さなければ相手が客では怒る事も出来ない、ブツブツ」



んっ?

俺、なんか不味いことでもした?まっ、いいか…ハハッ

気にもせずいつものように郭の中を散策する、んー今日も平和だ。

これで、ガヤさんが戻って来たら言うことないんだけどね。

すると━



旦那「健永、ちょうどいい所にいた」

千「なっ、なに?」

旦那「お前に頼みたいことがある一緒に来い」

千「うえっ」



なんだよ頼みって。




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