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桜花楼の恋

第7章 募る想い

連れて行かれた所は親父の部屋、そこに。



玉「また会ったね、ニコッ」

千「タマ!」

旦那「こら、なんて失礼な呼び方を若様と言いなさい若様と」

玉「いいんです、フフッ」

旦那「しかし」

玉「俺たち友達ですから、ねっ?ニコッ」

千「おう、ヘヘッ」



驚いた顔をし俺を見る親父、へへぇーん、ざまぁーみろってんだ。



旦那「とっ、取り合えず訳はあとで聞くとし若様を遊郭街の外まで送って差し上げてくれ」

千「分かった行こうタマ」

玉「うん、ニコッ」

旦那「‥‥‥」



そして、道すがら。



千「そっか宏光に会いに来たんだ」

玉「まぁーね、フフッ」

千「で、どう思った?」

玉「上手くは言えないけど嫌いじゃないよ」

千「それって好きって事」

玉「ガヤが惚れ込むのも分かる気がした」

千「じゃ」

玉「んふふっ」



やったぁーっ

タマは言ってくれたのさ、2人を応援してくれるって。

俺は、めっちゃ嬉しくなり、郭へ戻るとすぐ宏光の部屋へ向かう。

けど、既に中は真っ暗で耳を澄ませてみたら。



北「くっ…ヒクッ」



うっ…そ‥泣いてる…あの宏光が!?



北「藤っ…ヶ谷‥の…バカ‥やろ…クッ」



それを聞き、キュンと胸が切なくなった。

好きなんじゃないの?本当は宏光、素直になればいいじゃん。

別に、男同士だからって気にする必要ないし。

俺には分からない、どうしてそこまで意地を張り続けるのか。

やっぱまだガキなのかな?でも、なんとかしたいそう思う。

こんな自分でも力になれるんだとしたら俺は、大好きな兄貴の為ならばと。




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