こんなとこじゃイヤ!
第2章 忘れられない
そこには携帯番号も書かれている。
高鳴る鼓動…
もしかしたら、会えるかもしれないという期待が胸をドキドキさせた。
「ひょっとしたら、あのひとの名刺かも!」
「此処の会社て…ゲームで有名なとこじゃん…しかも代表取締役て…」
「そうなの…?」
ゲームのことなんて全く疎いけど、
結構有名なとこの偉い人だと言うことは分かった。
「だったら今すぐにでも、電話してみればいいじゃん!」
「まだ、ちょっと心の準備が…」
はやく、はやくと、
急かす隆史に、昼休みの終わりのベルが鳴りホッと胸を撫で下ろした。
俺だって、あのひとの声が聞きたい。
だけど本当は、俺のことからかっただけで本気じゃなかったかもしれない。
いざとなると怖くて不安で、チキンな俺が顔を覗かせる。