こんなとこじゃイヤ!
第2章 忘れられない
"高倉冬樹"
名刺に書かれてた名前・・・
何度も頭のなかで繰り返す。
もう授業なんてどうでもよくて、思うことは、あの人のことばかりだった。
――放課後――
「じゃあな、真琴。ちゃんと後で報告しろよっ!」
「うん!またね、隆史。」
部活があると言う隆史と別れて、ひとり駅へと向かう。
電車の中は辺りを見渡せば、
朝ほどは混んでなくて、俺は空いてる座席に座る。
…此処で、冬樹さんと出会った。
「ふ…ゆき…さん………」
無意識に囁いてしまうあのひとの名前に、握りしめる携帯電話――
胸がざわつく…
俺を抱きしめる逞しい腕。
その腕の中で、ひたすら快感に身を震わせて喘いだ。
身体が覚えてる…
あのひとの温もりを――