こんなとこじゃイヤ!
第1章 最悪な出会い
息さえも奪ってしまいそうな激しいキスに、ズルズルと身体が崩れ落ちる。
男のキスは巧みで思考さえも奪っていく。
「キスだけで感じたのか?」
「だっ、誰がっ…!!」
「だったら、これは?」
「やっ…っ…ひゃあッ…」
ズボンのうえからでも分かるほど、欲望は雄の主張を示していた。
男のキスで…
腰砕けになるなんて痛すぎる。
身体がふわりと宙に浮いたと思ったら、軽々と男の肩に担ぎあられていた。
「なにすんだっ……降ろせっ!!バカ、やめろて変態野郎――っ!!!」
「こらっ、暴れるなって」
手足をバタつかせて応戦するも、ちっとも歯が立たなくて非力な自分が嫌になる。
これて、男としてどうよ!?