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きみの一閃で目覚めた恋心

第2章 ~告白のメッセージ~

「兄さんが高校1年生で、僕が中学3年生の時に
両親が、新婚旅行先のホテルで起きた殺人事件で亡くなったんです」

両親が亡くなった事を口にした時の、隼君の表情が一瞬だけ暗くなる。

「そうだったんだ…。」

親族や身内が亡くなった事がないけど、とても辛くて悲しかったんだろうなってのはわかった。

「それから、兄さんと2人暮らしが始まって兄さんは卒業後、大学には行かずに僕を養うためにすぐに就職して、今もずっと育ててくれてるんです」

苦笑を浮かべる隼君。

「それまでは、両親の生命保険と兄さんの母方の祖父母と、僕の父方の祖父母からの毎月の援助金で普通に暮らしてきたんです」

高校生と、中学生の兄弟の2人暮らしか…。

いろいろ、大変だったよな絶対…。

「でも、いつ何があるかもわからないのと、僕を育てていくって理由で自分は大学には行かずに就職する道を選んだんですよ
本当は、兄さん自身も大学に行きたかっただろうに」

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