
愛すると言う事…
第2章 episode 2
結局、外で食べるしかない俺たちは前に行った居酒屋に向かった。
雅「あ!いらっしゃい♪」
相変わらず元気の良い人の好さそうな店主がニコニコしてる。
翔さんがビールを頼み、前回同様二階に上がる途中『了解♪』と店主が嬉しそうに笑った。
翔「あいつ、いっつも元気なんだよなぁ(笑)」
そう言った翔さんは、楽し気で。
何となく自慢気にも見えて、俺はいつもと違う胸の苦しみを感じた。
何だ…これ…
やっぱり訳が分かんない感覚に、イライラする。
前に翔さんは『そのうち分かる』って言ってたけど…
智「…何か…ムカつく…」
翔「んー?」
智「…そのうち分かるって……いつだよ。何か、俺には分かる日が来る気がしねぇんだけど」
翔「あはは(笑)…かもな。智ならずっと分かんないままイライラしてそうだな(笑)」
楽しそうに笑いやがって。
マジでムカつく。
何なんだよ。
翔さんはほんのり笑いながら『トイレ』と立ち上がり部屋を出て行く。
答えも貰えないまま放置される俺の身にもなってみろよ。
年上だからって大人ぶっちゃって…4つしか違わねぇじゃん。
雅「お待たせぇ♪」
店主がビールを手に部屋に入って来た。
ニコニコと。
多分、今の俺…眉間に皺寄せて超不機嫌面してる。
それでも店主はニコニコしてて。
雅「智くん、だっけ?…翔ちゃん、優しいでしょ♪」
俺の気も知らないで呑気な質問された。
だから『…全然』って不貞腐れながら言ってやった。
雅「えー?マジで?昔から超ぉ~優しいんだけどなぁ…」
智「………」
雅「あ、ごめんごめん。ヤキモチとか妬かなくていいよ?俺、ちゃんと恋人居るから♪」
智「……ヤキモチ…?」
雅「ありゃ。これは翔ちゃんも大変だ(笑)翔ちゃんもそこそこだけど、智くんも相当だね(笑)」
智「……意味分かんない」
やっぱりニコニコしてる店主は、俺には分かんない"そのうち分かる"事を理解してるらしかった。
それすらも俺にはムカつくんだけど。
何なんだよ、お前ら。
相変わらずニコニコと楽しそうな店主雅紀。
ストンとその場に正座すると、俺と真っ直ぐに向き合う。
何を言われるのか若干身構えた俺に、彼は優しい口調で話し掛けてきた。
