
愛すると言う事…
第2章 episode 2
雅「あのさぁ、智くん。翔ちゃんと俺が仲良く喋ってて、ムカつかない?」
智「……分かんない。…けど、モヤモヤはする」
雅「うん。翔ちゃんに頭撫でられたり、ギュッてされたら?」
智「………苦しい」
雅「どこが?」
智「…胸?…の辺り」
雅「そっか。…智くん。それを、世間では"恋"と呼びます」
智「…………は?」
雅「分かるよ、分かる。男だもんね?…だけど、俺も初めは"まさかぁ"って思った(笑)」
店主は数年前まで普通に女と付き合ってたと言う。
だけど少し前に、出会った人の事が頭から離れなくて…惹かれている自分に気付いたと笑った。
相手は5つも下の"男"何だと、少し照れ臭そうに話した。
雅「向こうも俺と同じだった。…今じゃ俺の可愛い彼氏なんだよ?今度、会わせてあげるね♪」
そう言うと頭を少し乱暴に撫でられた。
その瞬間、翔さんが入って来て『触んな』と呟く。
途端に、顔が熱くなった。
店主が『ありゃ真っ赤♪』って笑いながら出て行ってしまって、俺は何も言えずただただ俯くしかなかった。
翔「…分かったか(笑)?」
智「……///」
翔「"そのうち"の、意味♪」
智「…う、るせぇ///」
人を、好きになった事なんて。
俺が物心ついた頃から思い出してみても、記憶になくて。
可愛いって思った事は、多分あると思う。
小さい頃はそれなりに少ないながらも友達は居たから、そんな話題で盛り上がってた友達もいた。
俺は分かんないながらワクワクしてたのは、何となく覚えてる。
店主に言われて…
これが?
と、半信半疑な部分もありつつ。
それでも目の前の、テーブルの向かい側に座ってる翔さんを、真っ直ぐに見る事が出来なくなってた。
翔「智?」
智「…………何///」
翔「…お前…可愛いな♪」
智「……煩い///」
チラッと翔さんを見たら、何だか物凄く嬉しそうに笑ってて。
今までで一番、ドキドキしてた。
智「……死にそう…」
翔「何で(笑)」
智「…心臓…ヤバい。………帰りたい」
翔「あはは(笑)帰ったら、俺と二人だぞ(笑)?」
智「………死ねる自信、ある。…ってか、死ぬ」
目の前の男は、手を叩き爆笑した。
そんな翔さんを、初めて見た俺。
また心臓があり得ない程に動き出す。
