
愛すると言う事…
第2章 episode 2
部屋の扉が勢い良く開くと。
雅「お待たせぇ♪雅紀くん特製あんかけ焼きそばぁ♪……あれ?智くん、大丈夫?」
翔「雅紀、ビール持って来い♪」
雅「いいけど…翔ちゃん、店いいの?」
翔「休むって言ってある。…もう管理も本当はシゲに任せたいんだけどなぁ」
雅「あぁ、加藤くんなら大丈夫そうだよね♪」
二人で俺の知らない話をし始めた。
分かんない。
誰だ?
シゲって…
店主に眉間を突っつかれ、初めて仏頂面だと気付く。
雅「ねぇ、大ちゃん可愛いね♪」
「「…大ちゃん?」」
雅「そ♪大野くん、でしょ?だから、大ちゃん♪」
智「……ってか、可愛くないし」
雅「可愛いよ!めっちゃヤキモチ妬いてるもん♪」
あーー!
クソッ!
目の前のジョッキを引っ掴んで一気にビールを飲み干した。
受け止めきれずに口の端から零れて顎を伝って。
空のジョッキを店主に突き出すと、苦笑しながらも受け取ってくれた。
それからはひたすらに飲みまくった。
夜の世界で働いてるけど、一応は高校生で。
だからって年相応に見られた事なんか一度もないから、酒を飲もうと煙草を吸おうと咎められた事はない。
新しいジョッキを手に煙草に火を着けグイグイと流し込む。
酔っ払った記憶は一度もないけど、さすがに少しフワフワしてきた。
翔「智…ちょっと飲み過ぎじゃねぇか?」
智「…あー…大丈夫」
翔「酔ってんだろ?」
智「…酔って……んのか?…分かんない」
翔「何だそれ(笑)また明日頭痛ぇっつっても知らねぇぞ?」
智「…明日、休みだし…いいよ。…っつうかさ。翔さんは、どうなんだよ」
翔「…何が」
智「…散々俺に自覚させといて…翔さん何も言ってねぇじゃん」
記憶もしっかりしてるし、自分が何を言ってるのかも十分理解してる。
酔って勢いがないと、多分言いたい事言えない気がしたからどさくさ紛れに、ハッキリさせたい。
翔「何も言ってないって…まぁ、確かに言葉にはしてないか」
智「…俺ばっか自覚させられた。不公平だ」
翔「智は、俺が好きか?」
智「…は///?狡ぃ、俺が聞いてんだろ」
翔「俺だって聞いてねぇよ?」
智「…///」
翔「好きか?」
智「…ん///」
翔「ふふ♪…店に行ってお前を見た日からずっと忘れられなかった。智が、好きだ」
あぁ…
俺、マジで死ねる…
