ココロノソラ
第35章 恋は忘れられない香りばかり
ふと、目が覚めた。部屋はカーテンがきちんと閉まっているため朝か夜かの区別も出来なかった。
手探りで携帯を探す。
「まだ昼前だよ。」
……昼前?
「にのちゃんまだゆっくりしてようよ~」
俺はようやく今の状況が分かった。
直に触れる肌に軽く布団がかかっているだけ。最後の記憶から格好も何も変わってない。
でも、昼前ということは、
やらかした。執事の仕事放棄してる…。
「雅紀さま!起きてください!私、仕事何も出来ていません!」
「いいじゃん。当分この家二人っきりだよ?
てかさ、にのちゃん動けないでしょ。」
確かに動けないんですけど。腰がやばいんですけど。
「せめて電気はつけてください。これじゃあ見えません。」
「あー確かに。暗いもんね」
なんでこんなにこの人は能天気なんだ?
能天気というか楽しそうっていうか。
ぱっと明かりがついてカーテンも開かれ
外は快晴。明るさが戻った。
「 なにこれ。」
いや、何かは分かる。身体中の紅い印。
「いや、全然起きないし可愛いし物足りなくてつい (笑)」
「ったくお父様にバレたらどうするんですか…」
「場所は考えたから大丈夫だって!」
物凄く嬉しそうにするから怒る気もなくして
「程々にお願いします…」
「うん!」