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オカズファンダジー

第7章 子供会の遠足の写真

親戚が亡くなってお通夜とお葬式に出なくてはならないので明日の夕方まで戻れないらしい。

まなちゃんとさなちゃんは学校があるので残して行くのだけど幼い女児ふたりでは心配だ。

「ボクでよければ泊まってふたりを見ましょうか?」

とボクが言うとふたりの両親は嬉しそうな顔をする。

「そうしてもらえると助かるわ」

「頼りになるし大好きな班長さんが来てくれるんなら安心だわ」

ふたりの母親にそんなに感激されるとメチャ嬉しい。そんなに褒められるような人間じゃないと思うとまた辛くもなるが。

すぐにウチの親にも話を通してボクはふたりと一緒に一夜を過ごすことになった。

「良かったね、お兄ちゃんが来てくれて」とまなちゃんのお母さんが言うと、

「今夜はお父さん代わりよね」とさなちゃんのお母さんが嬉しそうに言う。

その日は一度家に帰って次の日の学校の支度と着替えを持ってすぐにまなちゃんたちのところに向かった。

まなちゃんの家はきちんと戸締まりをしてさなちゃんの家にみんなで泊まることになった。

「まずは宿題を片付けようか」

いつもは宿題なんかしたことないのに(おい笑)、こういう時は自分の宿題もきちんとやるし、まなちゃんとさなちゃんのお勉強もちゃんと見てあげた。

ボクってバカだけど、勉強はちゃんとできたんだぞっていうのはちょっと自慢(笑)バカだけど・・ボクがバカなのは多分一般的な社会常識が欠如してるからかな(笑笑)

ボクが教えてあげると、まなちゃんは難しいと言って解けなかった問題がすらすら解けるようになる。

「わたしがいつも教えてあげてもできないのに、何でお兄ちゃんだとできるわけ?」とさなちゃんが膨れ顔になる。

膨れ顔は初めて見た。可愛い~。

「だって○○兄ちゃんが教えてくれるんだもん」とまなちゃんは嬉しそうに笑う。

「あっ、ズルい、名前呼んだ。わたしも○○兄ちゃんって言うからね」とさなちゃんもボクを名前で呼ぶ。

宿題が終わるとテレビを見たりボードゲームをしたりして遊んだ。せっかく可愛い女のコふたりと過ごすんだからもっとステキなことはないのかと思っても何も浮かばない自分がもどかしい。

ままごとをしたいと言い出したので一緒にやることにした。ままごと、女のコっぽいけどお医者さんごっこの方がいいなと心の中で思って、何をバカなことをと自分でツッコんでまた自己嫌悪。

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