テキストサイズ

ながれぼし

第6章 きみごころ





大「あ!タケちゃーん!」


荷物を受け取った先で聞こえた声
そこに居るのは


…ふふ

変わんねぇ(笑)


公共の場だからと、走り出したい気持ちをなんとか抑えて、でもちょっとだけ歩くスピードを上げて

大「タケちゃ…わっ」
「智っちー♪たっだいまぁ♪」

ぎゅう!と抱き付いた

大「っあは、おかえりタケちゃん」


変わらない、この声。この抱き心地。そしてその笑顔
久しぶり。と少しだけ手に力を籠めれば
智っちも、ぎゅっ。と俺を抱き締めくれた


.

お袋が言うには

皆が右向けば右 左向けば左
俺は小さい時から、それが苦手な子供だったらしい

小さい頃は「やんちゃ」や「個性」ですんでいたことも

成長するにつれ
「独特」「変な人」「おかしい奴」「ひねくれ者」
そんな風に言われることが多くなった


友達もできず、ぼっちだった俺。そんな時、夏の長期休みを使って親父が連れて行ってくれた海外

それが
自由の国 アメリカ

ベタだけど 世界は広い
そう思った



.


「あーー…いー匂い♪」

念願のアメリカの会社に就職が決まり、シカゴへ住んで早4年
けど、やっぱりね。俺の故郷は日本で…だからこうして智っちを抱き締めている今、猛烈に日本に帰って来た感を噛み締めている
あ、連絡は取ってたけど、会うのは本当に4年振りだからね


大「え?あ。やっぱり日本の空港って醤油の匂いがするの?」

「ふ…そうだねぇする様な?しない様な?」

大「? っ…!!ちょっとタケちゃん?!っまたぁ!」

「はぁ〜…懐かし♪智っちのお尻落ち着くわぁ…」

大「おい!ちょっ…やめ…!」

「変わらな…ん?あれ?智っち、ちょっとお尻硬くなってない?」
もみもみ。と揉む手に違和感が…

大「ぇ?あ、俺今鍛えてて…って!そこはっ…ぁ…」

お。感度良好♪

櫻「はーいカット!」

パコ。と頭に当たったのは丸められた新聞紙

「櫻ちゃんっ♪」

櫻「相変わらずだな」

「そっちこそ相変わらずのイケメン」

櫻「ふっなんだそりゃ。
おかえり。元気そうで良かったよ。」

「ふふ、ただいま♪櫻ちゃんも元気そ…」
大「ちょっと翔くん!いつもよりツッコミ遅くない?!」

櫻「そう?いやー久しぶりで懐かしいなって見てた(笑)」

大「なにそれ!」


そう。このやり取り
あれから俺らの定番だ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ