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ながれぼし

第8章 in the water





相「っだっはーーー!つっかれたぁ!!」

ニ「声がでかい!」
大声出して椅子にもたれ掛かった雅紀にバシッ。と一発。

相「って!…だぁってぇ岡田のあのしごき。マジドS。鬼!」

確かにな…今日は特にしごかれた。
「試験前になると部活できなくなるからだろ。だからってなぁ…」

俺も一緒に、はぁ…と椅子にもたれた。

定番の駅前のマック。
腹が減ったと言う雅紀に連れられ。勿論家でも食うよ。ハンバーガーだけじゃ足りない。


あ、そうだ。と声をあげたのはニノ。

相「んー?」
椅子にもたれ、上を向いたままポテトを食う雅紀。

行儀が悪い。

ニ「起きて食え!」

ぐふっ!と唸った雅紀。
ナイス。腹パン。

「何?そうだ。って?」

ニ「あ、そうそう。岡田センセーから聞いたんだけど、今度うちの学年に転校生がくるんだって。」

相「え?!女子?!」

ニ「病院行く?」

俺たちは男子校だ。

「こんな時期に?」

ニ「うん。なんか親の都合で。とか。」

「…ふぅん。」

ニ「で、その転校生ってのが、○○県の大野くん。」

大野くん?

相「え?!大野?大野って大野智?!」
急にガバッ!と起きた雅紀。

ニ「そ。」

「え?誰?芸能人?」

相「違うよ!なんで知らないの?!俺ら年代の水泳界じゃ有名じゃん!」

ニ「雅紀。」

相「え?……あ…そか。…ごめん。」

ニ「潤が…水泳から離れてた時期。結構大会で上位取ってたのが大野くん。ルックスも良いから、ちょっと有名人。」

「へぇ…で、今は?俺聞いたことないよ?」

ニ「う~ん。その辺ちゃんとした情報が無いんだけど…故障した?とか、そんな噂。」

「…で?なんで岡田がニノに?」

ニ「もしかしたらだけど、水泳部に入るかもって。情報提供。」

「情報提供?」

ニ「岡田センセー、大野くんが来る前の日から出張なんだって。だから櫻井センパイに伝えとけって。」

あー…今日は生徒会で来れなかったからか。

相「直接言えよ。」

ニ「全くね。」


3年の櫻井先輩。
水泳部の部長を務めつつ、生徒会も掛け持ち。
誰もが認めるイケメン。性格良し。成績優秀。運動神経抜群。

んで、同じく成績優秀、頭の回転が早く気転が利き、そして男なのに可愛らしい顔をしたニノ。

実は、俺たちの担任兼水泳部顧問の岡田先生、公認のカップルだったりする。

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