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ながれぼし

第8章 in the water




相「あー腹減ったぁ…」
盛大にグー。と鳴る雅紀の腹。

ニ「漫画かよ。」

俺も思ったよ。

昼休み、大きな弁当でも腹は満たされない俺と雅紀。購買にパンを買いにいくのが定番だ。
ニノは、なんも買わないのに付いてきてくれる。

結構寂しがり屋なんだと思う。


相「あ!」と声を出したのは雅紀。

どうした?と、その視線の先を辿れば

ニ「櫻井センパイ。」
が、前から歩いてくる。

相「松潤っ!あの人だよ!大野くん!」

「え?」
ちょっと興奮気味の雅紀の言葉に、櫻井先輩の隣の人を見る。

既に、この学校の制服は着ているけれど、先輩の横でキョロキョロと、もの珍しそうに校内に視線を巡らすその人。


っ……ぇ…

ドクン。と打った心臓。

…な………似てる

あの子に似てる…っ!



櫻「お。トリオ。いつも仲良いなー。」
俺たちに気が付いた櫻井先輩が俺達の所へ来て、今日も文句なしに爽やかに笑う。


相・ニ「お疲れさまです。」
「お…疲れ様です。」

当たり前っちゃ当たり前なんだけど、
櫻井先輩に付いて、大野くんも目の前に来て

…やっぱり…似てる!


櫻「お疲れ。購買?」

相「はい。あの…そっちの人は?」

櫻「大野智くん。知ってるだろ?
明日から、お前達のクラスみたいだからよろしくな。って俺が言っちゃダメか。内緒な(笑)」

そう言って紹介された大野くん。

そんな彼は、少し照れたように
大「明日から、よろしくね。」

ふわり。と穏やかに笑った。


…うわ…

ドクンドクン
と、さっきっから落ち着かない煩い心臓。

こんなことってある?!
本当に会えるなんて…!

や、まて…落ち着け俺!
まだその人だって決まった訳じゃない。もう何年も経ってるし、他人のそら似かも…


ニ「なんで櫻井センパイと?」

櫻「ん?あぁ、岡田先生が出張中なのと、俺が大野くんとは面識があったから。校長に校内の案内を頼まれたって訳。」

校長に…さすが先輩だ。

大「ごめんね櫻井くん。せっかくの昼休みなのに。」

櫻「何言ってんの!大野くんと学年が違う事が残念な位だよ。」

大「え?…ふふ。ありがとう櫻井くん。」

そして、先輩と大野くんは、笑い合う。


ニ「…ふぅーん。」

なんか…いやに仲良さ気だな。
ニノが妬いてますよ先輩。

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