
ながれぼし
第8章 in the water
*
相「っだっはーーー!つっかれたー!!」
そう言って雅紀は椅子の背もたれに身を預けた。
ニ「だから煩い!ってデジャブか!」
で、またニノが一発お見舞いする。
うん。俺も思ったよ。
相「いったいなあ もぉ!
だって、岡田いないから今日の部活はって思ってたのに、しっかり地獄メニュー残していってるんだもん!つーかーれーたー!」
相も変わらず、いつものマック。
そんな毎回寄り道してるわけじゃないよ。
一応、頭は良い方の学校でもあるし。疲れた体にムチ打って勉強もしてる。
何より試験で追試になると、部活できなくなるからね。
「櫻井先輩。託されたメニューはきっちりこなすからね。」
だからこそ先輩は、先生や部員から人望があって部長に選ばれたんだと思う。
でも…だからか、今日も相当疲れた。
ふぅ と、俺も椅子に体を預け、雅紀と同じように天井を見上げた。
松・相「「はぁぁぁぁぁ…」」
ニ「…なんだこれ。」
ニノの呆れたような声と、ふふ。と笑う声が聞こえた。
と、
あっ!!と声を出したのは雅紀。
ニ「……もぉ…」
注意するのを諦めたニノ。
「どうした?」
相「松潤!大野くん!忘れてた!どうだった?!運命の人?!」
あ、そうね。
ニ「何故、片言。」
「俺のこと助けてくれた人だと思う。」
相・ニ「え…?!マジ?!!」
「あ、たぶんだけど…」
相「たぶん?」
「うん。俺が覚えてるのって、声と横顔くらいでさ。声は声変わりしたのか、覚えてる声とは違くて。顔も…その人の様な雰囲気はあるけど…ちょっと違うのかなって、確信がない。だから、たぶん。」
ニ「あー…そっか、そーだよね。あれから何年もたってるもんね。」
「うん…。」
大『明日から、よろしくね』
何故だか思い出した、ふわん。と笑った顔。
笑った顔なんて今日始めて見る。
なのに…どうしてだろう。あの時の彼と被るんだ…
ドッ…クン!
…っ?!
急に跳ねた心臓。
あ、れ…痛い…
相「そんなの簡単じゃん!本人に聞けばいいじゃん。大野くんにさ?」
「ぇ…あ…そうなんだけど…」
なんだこれ…
胸が痛い
相「? 松潤?俺が聞いてあげようか?」
ニ「雅紀。」
きっと、察しのいいニノには気づかれた。
相「え?なに?なんで駄目なの??」
…胸が…苦しい…
