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ながれぼし

第8章 in the water





相「っだっはーーー!つっかれたー!!」
そう言って雅紀は椅子の背もたれに身を預けた。

ニ「だから煩い!ってデジャブか!」
で、またニノが一発お見舞いする。

うん。俺も思ったよ。

相「いったいなあ もぉ!
だって、岡田いないから今日の部活はって思ってたのに、しっかり地獄メニュー残していってるんだもん!つーかーれーたー!」

相も変わらず、いつものマック。
そんな毎回寄り道してるわけじゃないよ。
一応、頭は良い方の学校でもあるし。疲れた体にムチ打って勉強もしてる。
何より試験で追試になると、部活できなくなるからね。

「櫻井先輩。託されたメニューはきっちりこなすからね。」

だからこそ先輩は、先生や部員から人望があって部長に選ばれたんだと思う。

でも…だからか、今日も相当疲れた。
ふぅ と、俺も椅子に体を預け、雅紀と同じように天井を見上げた。

松・相「「はぁぁぁぁぁ…」」

ニ「…なんだこれ。」
ニノの呆れたような声と、ふふ。と笑う声が聞こえた。


と、
あっ!!と声を出したのは雅紀。

ニ「……もぉ…」
注意するのを諦めたニノ。

「どうした?」

相「松潤!大野くん!忘れてた!どうだった?!運命の人?!」

あ、そうね。

ニ「何故、片言。」

「俺のこと助けてくれた人だと思う。」

相・ニ「え…?!マジ?!!」

「あ、たぶんだけど…」

相「たぶん?」

「うん。俺が覚えてるのって、声と横顔くらいでさ。声は声変わりしたのか、覚えてる声とは違くて。顔も…その人の様な雰囲気はあるけど…ちょっと違うのかなって、確信がない。だから、たぶん。」

ニ「あー…そっか、そーだよね。あれから何年もたってるもんね。」

「うん…。」



大『明日から、よろしくね』
何故だか思い出した、ふわん。と笑った顔。

笑った顔なんて今日始めて見る。
なのに…どうしてだろう。あの時の彼と被るんだ…


ドッ…クン!


…っ?!


急に跳ねた心臓。


あ、れ…痛い…


相「そんなの簡単じゃん!本人に聞けばいいじゃん。大野くんにさ?」


「ぇ…あ…そうなんだけど…」

なんだこれ…
胸が痛い


相「? 松潤?俺が聞いてあげようか?」

ニ「雅紀。」

きっと、察しのいいニノには気づかれた。

相「え?なに?なんで駄目なの??」


…胸が…苦しい…

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