
ながれぼし
第8章 in the water
ニ「ほら。ずっと探してた相手に会えたかもしれないんだから、潤にだって心の準備っつーもんがあんでしょ?
だから潤のペースでいいじゃん。」
何も言えない俺に、ニノがフォローを入れてくれる。
俺は、小さくふぅ…と深呼吸をする
相「そっか…そうだよね。運命の人かも知れないもんね。ごめんね松潤。余計なお世話した。」
「…ふふ。どこが?なんも余計なことしてないじゃん。俺のために言ってくれたことでしょ。サンキュ。」
そして
「うん。俺、ニノが言うように、緊張してんのかも。なんかドキドキしてる(笑)
だから、見守っててよ。そしたら心強い。」
と伝えた。
相「あは!松潤って意外と緊張しーだよね。もちろん!何か俺達にできる事あったら言ってね。」
「おう。ありがと。
じゃぁまずはぁ…雅紀、試験落とすなよ。」
相「……シケン?ドコノクニノコトバ?」
ニ「ギリでも良いから絶対落とすなよ?」
これにはニノも怖い。
雅紀は、個人戦だけじゃなく、団体戦でも期待されてるからな。
相「…命懸けで頑張ります。」
急に、借りてきた猫状態でよそよそしくなった雅紀に、俺とニノが、あはは。と笑う。
そんなニノと目が合う
複雑そうに笑うニノに、口パクで「サンキュ。」と伝えた。
そう。
俺のトラウマは、完全に治ったわけじゃない。
あることをきっかけに、さっきみたいにフラッシュバックすることがある。
それを知っているのは、岡田と櫻井先輩と、ニノだ。
雅紀には「まだ水が少し怖い」とは伝えてる。
水が無いところでも、息苦しくなることは言えてない。だって雅紀は優し過ぎるからさ、水泳に影響が出かねない。
それに、
発作も今となれば、これはまずいな。とか、これはやらない方が良いなっていうのがわかってきてて、予防できたり、パニックになる前に、気持ちを落ち着かせて抑えることもできるようになった。
でも、最近は全然だったんだけどなぁ…
まさか…大野くんが地雷になるとは…
大野くんを見ると、あの時助けてくれたあの子を思い出して…溺れた時の記憶が甦るのか
…
……
でも…なんか、これまでの感じとは違うような…
息苦しくなって、手に汗が滲んでくる。ってよりは、心臓の辺りが苦しくて、ドキドキが激しい。
似てるけど、なんか違う。
つーか俺…明日からの学校生活
大丈夫かなぁ……
