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ながれぼし

第8章 in the water



それに…ニノもさ、櫻井先輩と話す大野くん見てヤキモチ妬いちゃうくらいだからさ、大野くんに対してぴりぴりしちゃうんじゃないのかなって
心配してたんだけど…


.

大「うわぁ!二宮くんってゲーム上手なんだね!」

心配してた…

ニ「えーそうかな?こんなの普通だよ。へへ。」

心配…


相「ニノがすげぇ嬉しそう。」

だな。俺も同じこと思ったよ。



それはちょっと前。
家の事情かなんかで、4限目から教室へ来た大野くん。昼休みに意気揚々と「昼ごはん一緒に食べよー♪」と声を掛けたのは雅紀だ。

俺だって雅紀が言わなくても、声を掛けるって決めていた。だって、大野くんは何も悪くないのに、寧ろ感謝してもしきれない人かもしれないのに、胸が痛くなるからなんて理由で避けるなんて絶対に嫌だった。

そんな俺の気持ちを分かってくれてか、何も言わずにいてくれたニノ…だったけど……

日課である購買散歩には行かず「俺は大野くんと待ってる。」とよそ行きの笑顔付きで教室に残った。

帰ってきたら修羅場にでもなってるんじゃないかなんて、ハラハラしながらさっさとパン買って戻ってきた。

で、冒頭に戻る。


大「え?え?すごい何今の技?!どんな指の動きしたの?」

ニ「いやぁ、出来ちゃうんですよ俺は。」

大「すごい!天才じゃん!」

ニ「んふふふふ。そんなことないよ。」

↑これだ。

得意気に満足そうに嬉しそうなニノ。
大野くんも、お世辞で言っている感じはなくて、本当に感動してるみたい。
ゲーム、やらないのか?


大「あ。相葉くん、松本くん。お帰り。」
ゲーム機の画面から視線を上げた大野くん。

お帰り。と言った大野くんのその顔は、昨日、櫻井先輩に見せていたものと同じで、ほにゃん。とした笑顔。

…っわ……ぁ

相「ただいまぁ♪なになにー?楽しそうじゃん!俺もいーれて♪」
と、大野くんが座っている椅子の半分に雅紀が座ろうとする。

ニ「おい。大野くんが落ちちゃうじゃん。なんでそこに座んだよ。」

相「だって俺も大野くんと仲良くなりたいじゃん?ねー大野くん?」

大「んふふ。うん。」

嬉しそうに笑って

ニ「もぉ…なにこれ。」

暑い中、3人でピッタリくっついてまた始まったゲーム。


俺はというと…

ドクンドクン。と

やっぱり起きた体の変化に
なんだこれ?と胸を押さえた。

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