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ながれぼし

第1章 きみのそばで



「あ、あぁ、それは…ありがとう。」

なんだ、ありがとう。って。

いやだって…友達としてでもこんなストレートにすきだなんて言われたことなんてない。

そのせいか…友達として。ってのがわかってからもドキドキと速くなった脈は治まらない。


大「…あれ?」
と声を出したのは智くん


「……どうした?」
速まった心臓をそのままに、智くんに訊ねる。

大「あれ?!!」
また同じことを言ったその顔は、これでもかってくらい元々大きめの瞳を更に大きく見開いている。

「え?!なに?!」

大「なんで俺の話になってんの?!」

「……はい?」

大「だって翔くんの話してたじゃん!」



…今?さら?

…そりゃ初めは俺の話してたけれどもね?


「なんでって、貴方が泣いたからでしょ。」
思わず、つい言ってやった。


智くんは、その言葉にハッ!っとした顔をして

大「……あ…そっか……」
と、肩を竦めて、みるみる顔を赤くした。



……

…なんかさ、薄々はね
薄々は気がついてはいたけどもね。

いや、薄々じゃなくて濃厚にね。

この人、やっぱり天然だ…


大「ごめん翔くん…
翔くんが、一生懸命話してくれてたのに…
なのに…俺…気の利いたことも言えなくて…」


「何言ってんの。もともとそんなの求めてねーよ。俺のはさ…もう答えは出てることだし。それに、智くんに話聞いてもらったら結構スッキリしたし。」
これはほんとのほんと。
まぁこれからもちょいちょい落ちることはあるだろうけどな。


大「翔くん…」

「ん?」

大「俺、やっぱり友達で良かった。」

「…どゆこと?」


大「だって、友達ならずっと翔くんのそばにいられるでしょ?」




またなんだよ急に…

なんつー顔して

恥ずかしげもなく良く言えんなそんな台詞

つか、そんなこと言われたの初めてだよ

てか、重い


…って微塵も思わなかった…俺も大概末期だな


こんなの初めてだ



大「翔くん…何ニヤケてるの?
…気持ち悪ーい。」


「…」
心外だ。

こんにゃろぉ



……でも


でもなんか


「ぷっふふふ…」

大「え…?」


「くっ…あははははは!
だめだ!ツボった!あはははは…!」


大「…えー…怖ぁ…」
眉間に皺を寄せて、マジで引いてる智くんを横目に、俺は爆笑した。



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