
ながれぼし
第8章 in the water
でもさ?
だってさ?
俺の話も聞いてよ。
だって大野くんじゃん。水の中見ろって言ったの。
…いや、正確には、言ったような気がしただけだけど。
ニ「ふふ…」
相「くふふふ…」
ニノと雅紀の、堪えてるような堪えてないような笑い声。
「…おい。」
と拗ねつつ睨めば
大「ごめんね?松本くん。」
さっきまでの顔とは、正反対の申し訳なさそうな顔をした大野くんと目が合った。
トン。と跳ねる心臓。
…
トクントクン。と奏でるこの鼓動の意味を知ったのは、あの日。
この気持ちの名前を知ったのも、それもまた あの日だ。
そして、それを教えてくれたのは
紛れもない貴方で
大「だって、2人が振るんだもん。」
こてん。と首を傾げて、さも俺は悪くないアピール。
…
……せこぉ…
ニ「ぷ…ふふふ」
相「ぶはっ…ぁ、ごめ…」
「っ笑うなー!つーか何度目だよ!このやりとり!」
相「え?えっとぉ…4回目?くらいかなぁ?」
「6度目だ!しつこいんだよっ!」
そう。あの日の事、俺と大野くんの事を親友の2人に伝えてからというものの、繰り返されるやりとり。
そーだっけ?と、とぼける雅紀と、
ニ「ままま。潤。おおちゃんもこうして謝ってることだし。許してあげなよ。」
冷静に、すっとぼけるニノ。
大「えー?俺?悪いの?」
「大野くんは悪くない!…いや、ちょっと悪いかもだけど、大野くんをノらせるニノと雅紀が大々的に悪い!」
相「ヒュ〜〜♪さっすが彼氏ぃ♪彼氏に優しいね。ね?おおちゃん?」
大「えへへ♪うん。松本くん、超優しいよ。
この前なんかね、俺が荷物両手に持ってたら松本くんが一つ持ってくれてね。」
ニ・相「うんうん。で?」
大「ありがとう。って俺が言ったら、「両手に荷物持ってたら手が繋げ…ぶ」
「やーめーてー!やめてやめて!」
そして、予想外に口の軽い大野くんの口を俺は塞ぐしかなくて。
んでもって、
ニ「く…くふふ」
相「あひゃひゃ♪松潤、顔真っ赤!」
嬉しそーに笑ってくれる2人に
これ以上何を言っても無駄だと諦めた俺は、顔を赤らめるしかできないんだ。
