
ながれぼし
第3章 冬以上春未満
相「流石に全部はやらないよ。ごみだけ。
潤も、触られたら嫌な物あるだろうし。」
そう言いながら酒を買ってきた袋にごみを入れていく。
…
相「かず?」
「俺も手伝うよ。」
そんな健気な、気遣いし過ぎの相葉くんを見てたら、俺だけ飲んでるわけにもいかないでしょ。
ポイポイ。とごみを袋へ投げ込む。
大事なものまで捨てちゃってたらごめんね潤くん。
相「ありがとう。かず。」
だから、なんであんたが言うんだよ。
…あれ?
あ、これ。
俺が見つけたのは写真。
そこには、相葉くんと潤くんと俺が笑ってる。
懐かしー。これは2年前の夏休み
男3人で行った旅行のものだった。
皆金ねーから、野宿したんだよね笑
10代ってこえー。
あ、これ。俺が潤くんと相葉くんを海に落とそうとして、結局3人で落ちてビショビショになった時のだ。
写真の中の俺達は、ニコニコとこれでもかってくらい笑ってる。
あーこれは、野宿して顔をめっちゃ蚊に刺された相葉くん。
くく。アホだなぁ。
…
…もう、この時は好きだったんだよね。潤くんのこと。
相葉くんからカミングアウトされたのはこの後。
俺は俺で、隠すもなにも智に猛アピールしてたからバレバレで。
潤くんには、特に聞かれてないから言ってないけど…マジでファンとか思ってんのかな?そうだとしたら激ニブ。
?
あれ?これ…
…あ…これも…
相「かず?」
「っうわぁ!!」
相「っなに?!
なんでそんなに驚くの?!」
「な!なななんでもない!」
相「えー?ちょーあやしい。
……って、それ3人で千葉に行ったときの写真じゃん。」
ひょい。と俺の手元を覗き込む。
あ…
相「あーあー、かず駄目じゃん。
しわくちゃにして。潤に怒られるよ?」
もー。って言いながら俺の手から写真を取り上げ、しわを伸ばしていく。
相葉くんが急に話し掛けるから、思わず握ってしまった写真逹。
それにより殆どしわになってしまった。
けど…
元々しわだらけの写真もあって
それは全部、相葉くんと潤くんが2人で写った写真だけ。
相「本に挟んどけば、直るかなぁ…。」
なんて言って一生懸命しわを伸ばしている相葉くんを横目に
俺は、変わらずテーブルに突っ伏している潤くんを振り返る。
…潤くん…?
どうしたの…?
