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ながれぼし

第3章 冬以上春未満





櫻「俺はスペシャルオムライス。かずなりは?」

「あ、水で…。」

今俺達が居るのは、某有名ファミレス。

櫻「なんで?食わねーの?
今日は奢ってやるよ?」

……なぜ?



じゃ、この際

「スペシャルハンバーグとコーラで。」

櫻「くはっ!面白いな。かずなり。」

…。


あのあと、腕を引かれ拉致…連れてこられた俺。

さっきの『翔ちゃん』の通話相手はきっと智。そしてこれから此処に来るのも、きっと…いや絶対 智だ。

なんで、すき好んでこの面子で会わなきゃなんないのか。

行くぞ。と腕を引かれた時、俺は確かに「嫌だ」「帰る」と訴えた。でもその言葉は『翔ちゃん』の無駄にかっこいいスマイルでかき消された。




で、時間は戻って
ざわざわと騒がしい店内。

今の時間は家族連れの客は落ち着き、若者で溢れている。

目の前には、オムライスをリスの様にほうばって食べる『翔ちゃん』

そして…

櫻「へぇ、和也はあそこでバイトしてんだ。なんか以外だな。」

「そう?時間の融通利くし、何より時給いいよ。」

櫻「はは!なんか、選ぶ基準が和也っぽいな。」

何がじゃい。

「翔ちゃんは?バイトしてないの?」

櫻「ん?俺?俺はカテキョ。」

「あーぽいぽい。」

櫻「だろ?良く言われるぅ(笑)」

だいぶ

てか、かなり打ち解けてしまった。

なんて言うかこの人、コミュニケーション能力に長けてるって言うか、相葉くんとはまた違う親しみ易さを持っている。


「ねぇ…さっきの人って…」

櫻「あ、来た。」

そう言って目印に手を上げた翔ちゃん。


大「いたいた。」

と、背後から聞こえたのんびりした声。

…やっぱりね。

そうだとは思ってたけど、翔ちゃんに呼ばれて現れた智。


自然と下向いちゃうよね…


櫻「いたいた。じゃないよ。もう食べ終わっちゃったし。」

大「だって急に呼び出すから。寝る寸前だったよ俺。」

櫻「いやいや早くね?」

あはは。うふふ。と俺の頭上で繰り広げられる仲良さそうな会話。

せめて俺の前ではイチャつくなコラ。

…て、ふつーの会話だけどさ。



でもって俺は

こんな地獄絵図なシチュエーションなのに

智の声だけで(まだ顔見てない)

高鳴ってしまう胸

やっぱり、俺は智のことが

すごく好きだと思った。

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