
ながれぼし
第1章 きみのそばで
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「…あ、あ、ん…あ、あぁ…」
動く度に揺れる胸
腰を振れば跳ねる身体
耳に残る高い声
外には体よく、付き合ってると言っているが、
ただのセフレだ
お互いに了解のもとの関係
都合が良いときに、女の家で会って体を重ねる。
そんな関係が楽で罪悪感なく、ただ、気持ちが良かった
「はぁ…ね、なんか、あった?」
sex途中に聞いてくるのもどうかと思う
「は?…なんで?」
「ん…当たりか。」
「だからなんで?」
自分でも眉間に皺が寄るのがわかった
「んー、集中してない…から?」
あたしに失礼じゃない?と笑う
…心辺りがある。
ので
「…」
黙る。ついでに停止。
「こら!ここまできたらせめて最後までしろ。」
とベシッと肩を叩かれた。
…それもそうだな。
と思い直し、文句を言う口を黙らせてラストスパートをかけた。
.
結局「なんかあった?」の返事を聞かずに別れた女。
そんなバッサリした女だから、長くセフレとして続いているのかもしれない。
別に…俺の今の状況が胸を張れる訳ではないが、恥じることもない。
と思っていた。
でも…
女の家へ行く途中に、街で見つけてしまった智くん。
隣には…彼女。
初めてみた。
けど彼女の顔が見たいとか、見てやろうとか思うより
俺の目は智くんを追う。
控え目だけど、ふわり。と笑う。
照れたように、はにかんで…時々2人で笑って
あんな風に笑うんだって…そう思った。
そこからは、もう視線を意識的に外し
足早にその場を離れた。
抱いてる最中にも、浮かぶあの笑顔。
あんな風に、笑える智くんが、
羨ましかったんだ。
