
ながれぼし
第6章 きみごころ
『健と居ると楽しいよ。それに、ご飯も1人より2人の方が美味しいじゃん。』
その言葉が、嬉しかった。
でも……
『は?友達?勘違いすんなよ。ただぼっちで可哀想だから構ってやっただけじゃん。』
その言葉に、ギャハハハ!と聞こえた数名の笑い声。
親友じゃなかった。
友達ですらなかった。
俺が馬鹿だった。
「相葉くんって馬鹿だよね。」
「、」
そんな声が聞こえて、ぱ。と前を向けば
いつの間にかドリンクバーは目の前で
「馬鹿って酷っ(笑)」
「それ松本くんのグラスじゃん。怒られるよ?」
「いやいや、わかってないなー。ニノちゃんは。」
先にドリンクバーにいたのは2人組。
2人してグレーのパンツに、襟にカラーの入ったブレザーを着ているところを見ると、この辺の高校生?か?
流石の俺も、高校生やら中学生の制服まで知らない。そもそも俺はここが地元じゃないしね。
「コーラと牛乳。合うと思うんだよね。」
「ヤバイよその色…ゲロみたい。」
「飲むのは潤ちゃんだもん。」
「確信犯じゃん。」
良くありげな、アホな学生のふざけたドリンクバー遊び。くだらね。
どうせ好き勝手遊んで、汚して残して帰るんだろ。
と2人の隣でカラン。と氷をトングで掴みグラスに入れる。
「くふ。ニノ知ってた?」
「…何をよ?」
「今日で俺らが友達になって、1年なんだよ。だから今日はお祝い。」
「…ぇ?」
「そんでもってこれは俺の気持ちの籠ったドリンクなの♪潤ちゃんなら美味しいって言ってくれると思うけど、そしたらニノにも作ってあげるね。」
「、なっヤだよ!いらないよ!それに友達って俺は別に…」
「はいはい。俺は勝手に友達…じゃなかった。親友だと思ってるからいいよー♪
早く戻ろ。親友で荷物番の松潤が待ちくたびれてるよきっと。」
「…っ〜〜///」
隣にいたから、嫌でも耳に入ってきた会話。
2人が去る時に、背の高い方の彼が「あ!煩くしてすいません。」ペコ。と俺に頭を下げて行った。
…
……
彼のその笑顔と、もう1人の彼の…戸惑った様な…けど耳を紅く染め嬉しそうな顔が、脳裏にこびり付いた。
